松本さんの丸くなった背中





怒ったのか、拗ねてるのかここからじゃあ顔が見えないから松本さんの気持ちがわからない。


だけど、見たことのない肩を落としたその姿が愛しくて


オレにとって松本さんは絶対的強者で、かっこよくて尊敬してて、そんな松本さんに守られるのは心地よくて


遥か下から見上げるような存在、なのに


こんな松本さんは何だか可愛らしくて
そんなあなたも好きだな、なんて……


もう、松本さんならどんな松本さんだっていいんじゃんなんて、今さら気がついたりして


ふふっ、て笑ったらポロリと涙が溢れた。


愛しい背中にそっと手を伸ばして涙の止まらなくなってしまった額をすり寄せた。


「………ウソじゃないよ。
酔った勢い…だったかもしれないけど
オレ…松本さんが好きだよ。
……オレのことだけ…見て欲しいって、思ってるよ」


松本さんの背中は大きくてあったかくて安心するのに、相変わらず落ち続ける涙は何なんだろうね


言葉にすることで改めて気付く
好きで好きで好きすぎて
たとえ拒絶されたとしても、もう離れられそうもないよ


もう少し浸っていたかったけど、寄りかかった温もりがぐらりと動いて離れていった。


思わず顔を上げると、オレに向き直った松本さんはこれ以上もないほど優しい笑顔で、オレの頬の涙を拭ってくれた。


そして両腕を引き寄せられて顔が近付く


「…やっと言ったな。
待ちくたびれたよ」



……どう言うこと?


ポカンと口を開けるオレに


「昨夜のお前の告白にだってちゃんと返事したんだぞ。
俺は、ずっとお前しか見てないって。
なのに覚えてないんだもんな」


……それって、それってまさか
だけど今までそんな素振り見たことない
だけどそういえば、さっき松本さんお前も俺とおんなじ気持ちって言ったような…


それって、そういう…ことなの?


「松本さんも、もしかして…オレのこと……………」


確かめようと開いた口は、松本さんの唇に塞がれてしまってそれ以上言葉に出来なかった。
















おわり






あとがきとお知らせは後ほど