「それで、今日は?」
相葉さんが微笑みながら首を傾げる。
その顔はドキリとするほどキレイで可愛くて、とても三十路を過ぎているとは思えない。
そう言えば、相葉さんと松本さんは同じ年だから、松本さんも三十過ぎてるんだよなぁ。
あの人も若くてキレイで見た目はオレと変わらないくらい。
いや、中身はオレよりよっぽどエネルギッシュで若々しい。
なんて、すぐに松本さんに繋げてしまうオレの気持ちの重さに気付いて頭を抱えた。
「ねえ、オレ、どうしたらいい?」
部外者が側にいることはわかっていたけど、もうばれてしまっているし、二人はディオを真ん中に二人の世界にいるみたいだし、もういいやと思ってその場で相葉さんに泣きついた。
「どうしたらって、好きだって認めたんでしょう?
だったら伝えたらいいんじゃないの」
「だけど……松本さんにとってはオレはただの部下だし……」
「そうなの?ただの部下なの?」
「どっちかって言うと、手のかかる……」
「そうなのかなぁ」
相葉さんが少し困ったように視線を空に泳がせた。
「大人ってやつはズルいからなぁ。
ニノは若いんだから、相手の出方なんか考える必要ないし、結果も出ないうちから気に病まなくていい」
素知らぬ振りをして、聞いてるとは思ったけど視線をディオに向けたままの大野さんの呟き。
何だかんだ心配してくれてるのもわかるし、ありがたいけどね。
教授の言うことは時々よく分からない。
ズルいってなによ。
「気に病むなって言ったって、拒まれて辛い思いするのはオレなんだけど」
「そんときは、やけ酒に付き合ってやるよ。
なぁ、相葉ちゃん」
そんな時だけ笑うなよ。
そうだね、と曖昧に答える相葉さんを見ながら、そう言えば相葉さんに失恋した時も松本さんに連れられてやけ酒したな。
あの時、またまたそこにいたって理由で大野さんも巻き添え食ったんだよな。
気付いたばかりの恋心
戸惑いの方が大きくて自分でもどうなりたいのかはっきりしていない。
だけど、もし告白したとして
玉砕して粉々になっても寄り添ってくれる人がいるんだと思うと、少しだけ楽になった気がした。
それでも言われっぱなしは悔しいから
「と、言うことは、大野さんもズルい大人なんですね」
言ってやったら、何故か知念の肩が飛び跳ねていた。
つづく