カウンターに置かれた一見なんの変哲もない小鉢。
それを食い入るように見つめる潤。
「………これ」
「んふふー、気に入った?
でも、あげないよ。これはオレのだから」
「そうなの!
俺が初めて焼いた器。
にのちゃんにあげたんだよねー」
さっきあれだけ邪険に扱ってたくせに、雅紀の焼いた小鉢を自慢げに見せる手には愛しさが溢れている。
自分の処女作を宝物のように扱う恋人の心情を知ってか知らずか、あくまでも雅紀の反応は軽くてそれが雅紀らしい。
そんな二人のイチャイチャをまったく相手にせず、その大事な器をニノから奪い取った潤が、中身を出して表やら裏やらひっくり返してはじっと器に見いっている。
そしてフウッと息を吐いた。
「……ヘッタクソだな。
……だけど、面白い。
普通初心者はこうは作らない。
……大野さん、こいつ」
「さぁ?
どうなるか、俺にはわかんねぇ」
誉めてるのか貶してるのか、言われた本人はリアクションに困っているけど、作家とプロデューサーが妙に楽しそうなのが答えだと思った。
それにしてもさっきから智くんと潤、近すぎないか?
話をするだけなのに、いちいち顔を寄せるのは何でだ?
まあ、兄弟だからね、別に俺は、何とも思わないけどさ。
「ふふっ、潤くん、もう少し大野さんから離れてやんないと、翔さんの顔が大変なことになってるよ」
「鬼ガワラだよ。鬼ガワラ」
ニノと雅紀が笑いだした。
何だと?
これでも、世間ではイケメンだ美形だと言われているんだぞ!
鬼瓦なんて言われたことはない。
心外だ!
「しょうくん…妬きもちか?かわい~なぁ」
すっかり酔っぱらってろれつの回らなくなってきた智くんに頭を抱えられて、空いた手でグリグリと撫でられた。
「ちょっとぉ、子供じゃないんだから」
反論しつつも智くんとのスキンシップは悪い気はしない。
「じゃあチューにするか?」
悪ノリして迫ってくる唇を両手で避ける。
そんな俺達を見ていた潤が
「何だよ、あっちもこっちもイチャイチャして。
俺も恋人呼べば良かったなぁ」
ブー垂れながらの爆弾発言に
「えーーーー!?
松潤、恋人、いるのーーー?」
叫ぶ相葉くん、程じゃないけど他の全員も驚いて、一斉に潤を見る。
注目を浴びた潤はしれっとして
「恋人くらい、いるでしょ。
俺を誰だと思ってんの?
こんないい男、回りが放って置くわけないじゃん。
大学の時からの付き合いで、今は遠距離だけど、
気持ちが通じ合ってれば距離なんて関係ないんだよね」
「潤くん、本当に相手の人のことが好きなんだね。
良かった。潤くんにも大事な人がいて」
恋人のことを語る潤にニノが嬉し涙を滲ませた。
今まで顔には出さなかったけど、自分だけが幸せになることに引け目を感じていたのかもしれない。
そんなニノを雅紀が優しい目で見ていた。
「じゃあさ、次は松潤の恋人も一緒に、6人で飲もうよ」
雅紀の提案にニノも智くんもニコニコと頷く。
もちろん俺だってやぶさかではない。
それどころか大歓迎だ。
出会った時期もまちまちで、それぞれに色々あって…
だけど、妙にうまが合う。
この4人とはきっと長い付き合いになる。
それはある意味確信で
それがなんだかとても嬉しかった。
「取り敢えず、この出会いに感謝して」
もう一度高くグラスを掲げた。
カンパーイ!!
おわり
あとがきは
余裕があったら後程
しゃがれにやられていたら明日……
書きます