「やっぱり出ていこうとしてたの?
また、俺を独りにして」
「それは……」
鋭い視線を受けてグラスを置いた。
怒っているのかと、恐る恐る見返した顔は思いの外穏やかで……
というか、満足そうな笑みまで浮かべていて……
「あの二人に来てもらって正解だったね」
「……?二人は大野さんに頼まれたって…」
「忙しいあいつらのスケジュールを空けて貰わなきゃだからね。大野さんの許可は取ったけど、直接頼んだのは俺」
「いつの間に、あの二人と」
「仲良くなったかって?
かずちゃんがいなくなった後、居場所を教えて貰いたくておおちゃんの所に随分通ったからね。
あいつらとはその時から」
「通った?」
「松潤の店知ってるのはおーちゃんしかいないじゃない。
俺、おおちゃんとはマブダチって言ったよね。
あの人、そんなに簡単に他人に心を許す人じゃないでしょ?それは、かずちゃんの方がよく知ってるんじゃないの?
最初は会ってもくれなかったけど、何度も通ってそのうち話を聞いて貰えるようになって
それからはわりと早かったかな。
おおちゃんと俺、波長が合うみたい」
そんなに早くからあなたと大野さんが繋がっていたなんて、まったく知らなかった。
「優しいかずちゃんは具合が悪い俺を放って置けない。しかも、番組を成功させるって翔ちゃんと約束したから、本番当日まではここにいてくれる。
だけど、それが終わったら…
だから、俺が先手を打ったんだよ」
また、あの強い視線がオレを貫く。
「相葉さん?」
先手を打つとか裏から手を回すとか、オレの知っているあなたからは想像できなくて。
「俺がそんな事するわけないと思ってた?
ゴメンね。素直で真っ直ぐなだけの俺じゃあなくて。
体調を崩したのはわざとじゃないけど、それをチャンスだと思ったのは確か。
翔ちゃんを説得して、松潤にもおおちゃんにも協力を頼んで、かずちゃんを俺の所に寄越して貰った」
「オレを…騙したの?」
「騙したことになるのかなぁ。
だけど、皆がひとつの結末のために動いたのは確か。
ただ一人、かずちゃん以外はね」
「……何で、そんなこと」
「なんで?
決まってるでしょ、もう二度とかずちゃんを離さないためだよ!」
つづく