「……なんで、それを……」
オレの決意は誰にも言ってない。
相談さえしてない、オレ一人で決めたもの。
それを何でお前達が……
「ニノさん、大野さんや潤さんを甘く見ちゃダメだよ。ニノさんの考えなんて、あの人達は全部お見通しなんだから。まぁ、他にも……」
「リョウスケ!」
驚きとともに二人を凝視したオレに、リョウスケが得意満面で説明するのをユウリが嗜める。
きっとなにかしら言い過ぎたんだろう。
「とにかく、俺達の任務は相葉さんが帰ってくるまで、ニノさんをここに留めておくことなんで。
諦めておとなしくしててくださいね」
落ち着いたトーン、柔らかな物腰、言い方はお願いなのに、オレを見据える瞳の強さや漂うオーラに有無を言わせぬ力がある。
ユウリの奴、しっかりと大野さんに学んでるとみえる。
こうなると勝ち目は薄い。
それでも抵抗は試みてみる。
「オレが何をしようと、お前達には関係ないだろ」
「そんな事はありません!
ニノさんがいなくなったら、俺達はもちろん悲しむ人は山ほどいるんですよ」
「そういうことだから、ねっ?
簀巻きにされて床に転がされたくなかったら諦めて♡」
内容は同じなのに、何でこんなに表現が違うんだ。
指を鳴らしながら近づいてくるリョウスケに、思わず後ずさった。
オレに説教をする気満々な真剣な顔と
人を恫喝してるくせに、アッケラカンとした笑顔。
オレの決意はこいつらに、いとも簡単に覆されることになった。
もちろんこいつらを後ろで操ってるのは、大野さんと潤くんなんだろうけど。
あなたが帰って来てしまったら
あなたの顔を見てしまったら
離れる決意が揺らいでしまいそうで……
だから、あなたがいない隙に出て行きたかったのに……
「ねぇ、俺、朝飯食ってないの。
取り敢えずニノさん、飯食わしてよ」
たった今、胡乱な空気を漂わせていたくせに、
腹減ったぁとねだってくる顔は子供のように無垢で
力ではどっちにも敵わないことがわかってるオレは仕方なく荷物を下ろした。
つづく