すいません、予告間違えました
明日ではなく、今日の22時ですm(__)m
ー suga & rsalt ー 2
看板も暖簾も出ていない、『二宮』という小さな表札だけの小料理屋。
『民宿二宮』の看板は外されて随分経つ。
それでも昔と変わらない年期の入った引戸。
これを開けるのも久しぶりだ。
子供の頃は毎日のように来ていたっていうのに……
久しぶりの感触に少しだけ緊張して戸を開ければ
「「いらっしゃい」」
二つの声が重なって俺を迎えた。
懐かしい古びたカウンターの中と外、それまでの会話が見えるような楽しげな二つの顔が俺を見ていた。
その笑顔にカチンと来る。
俺を認識して表情を消した片方に余計にムッとした。
こいつか。
こんな山里には不似合いな都会的なイケメン。
茶髪がチャラい。
着てる服もセンス良すぎる。
こいつ絶対本気で陶芸やる気なんて無い!
俺の相葉って奴の第一印象は最悪で、それをそのまま相手にぶつけてやった。
「あんたねぇ、困るんだよ。
あんたのせいで大野さんの制作が遅れてんの!
あの人素人に教えてる暇なんか無いの!」
初対面の相手にいきなり罵声を浴びせられて、驚き怯むそいつにほんの少しだけ溜飲が下がる。
もっと驚け、そしてここから出ていけ。
もう少し言ってやろうとそいつににじり寄った、その時
ニノが、俺とそいつの間に立ちはだかった。
ニノ……
語気は荒くない、振るまいも控え目だけど、
真っ直ぐに俺を見返す薄茶の瞳に宿る意思。
こんなニノは本当に久しぶりで……
ショックだった。
俺には分かってしまったから。
ニノはこいつのことが大事なんだ。
俺との関係よりも。
何年も持ち続けた俺への罪悪感よりも。
こいつを守りたい気持ちが強いんだ。
面白くない。
いや、はっきり言って不愉快極まりない。
だけど
もしかしたら、こいつが、ニノが負った負わなくてもいい負い目から解き放ってくれるんじゃないかと思った。
つづく
続きは26日22時に更新します。