湯気を立てるお粥をトレーに乗せて寝室に持っていく。
高い熱で眠れるわけがないあなたが、ぼんやりと天井を見上げていた。
「起きられる?」
声をかけながら、背中を支えて身体を起こす。
あなたは自分でも起きようとするけど、身体に力が入らないみたいで……
流動食のような緩いお粥の入った器を持たせるのが不安になって、掬ったスプーンをあなたの口元にそっと差し出した。
「少しでも食べて、薬飲まないとね」
熱で潤んだ瞳でオレを見上げ、それでも嬉しそうに開けた口にお粥を流し込む。
「おいしい……
すごく、おいしい……」
作ったオレへの気遣いもあったんだろうけど、何度も美味しいを繰り返しながらお粥もスープもほぼ完食してくれた。
腹の中が温まったせいか、食べ終わる頃には額に玉の汗をかき始めたあなた。
薬を飲ませて、蒸しタオルで身体を拭いて着替えさせ、シーツも取り替える。
水枕に頭を乗せると、気持ち良さそうにほーっと息を吐いた。
「オレはここにいるから、眠って」
「いっしょにいてくれるの?て、にぎってていい?」
「いいよ」
「かずちゃんにうつらない?」
「過労は移りません!」
そんなやり取りに、くふふっと笑ったあなたは
「じゃあ、クローゼットのなかに、おきゃくさんようのふとんがあるから、つかってね」
自分の身体が辛いのに、こんな時までオレを気遣う。
あなたの見ている前でベッドの横に布団を敷くと安心したように手を伸ばしてくる。
やがて、握った手を自分の頬に引き寄せて、眠りに落ちていった。
あなたが眠ったのを確かめて、片付けをしようと手を抜こうとしたけど、思いの外ガッチリと握り込まれて外すことが出来ない。
仕方なく片付けを諦めてベッドに寄りかかったまま、ベッド下の布団を手繰り寄せて自分の肩に掛けた。
今夜はこのままあなたの顔を見ていよう。
そう思ったのに
突然のことに疲れていたのか、いつの間にかオレも眠ってしまっていた。
つづく