家に帰ると、ダイニングのイスに座って目の前のビールに手も付けずに考え込んでいる潤くん。
その指が世話しなくテーブルを叩いていた。
オレに気付いて反射的に立ち上がる。
らしくないその姿に気付いた。
潤くんも大野さんも多分グルだ。
「どうしたの?」
素知らぬふりをして聞くと、
「……別に?」
と、とぼけるから
「相葉さんが店に来たよ」
敢えて言うと
「…へぇ、……そうなんだ」
落ち着きなく動く瞳。
ねぇ、全然隠せてないよ。
「潤くん、知ってたでしょ?」
小さく睨んで聞くと
「…いやぁ…まぁ…、で?どうした?」
誤魔化すのを諦めたのか途端に前のめりで聞いてきた。
「どうもこうも今更でしょ。とっくに終った話し。
大野さんに言っておいてよ、もう来させないようにって」
あの人に言ったのと同じ様にわざと素っ気なく言う。
「何でさ、お前今だって」
ずっと側にいる潤くんは、溜まっていく録画やあの人の番組を観るオレの様子を知っている。
だから尚更オレの態度が腑に落ちないんだろう。
「それじゃあダメだから、あの時オレはあの人を捨てたんでしょ。潤くんだって知ってるじゃない」
「だけど、あの時と今とじゃあ「とにかく!もう来ないように言ってよ!」
潤くんにそれ以上言わせないように強めに言うと、階段を駆け上がって、バタンッ!と自分の部屋のドアを閉めた。
膝から力が抜けて、ドアに凭れたままずるずると床に座り込む。
どうしてこんなことになるの
オレは今のままで良かったのに
遠くからあなたを見ていられれば
それで良かったのに
のろのろと立ち上がると、小さなテレビの脇に積み上がった録画したディスクを手に取りそっと引き出しの中にしまった。
つづく