ローテーブルの上に丁寧に並べられた、その紙を覗き込む。
白い紙に印刷された、それは白黒の写真と粗い文字。
とても見ずらいけど、良く見ればそれは……
夜の屋外、どんなカメラで撮ったのか辺りは暗い筈なのに、カメラの正面を向く顔はどう見ても相葉さんで……
その身体に包まれるように、ぴったりと寄り添うもうひとりの影……
相葉さんの腕とフードに隠れて良くは見えない。
だけど、当事者であるオレにはすぐにわかった。
この間の夜のタクシーを待っているオレたちだ。
そして、大きな見出し
『スクープ!!
相葉雅紀熱愛!!!』
何で?何で、あの時の写真があるの?
用心してた。
何度も回りを確認して
誰もいなかったはずなのに
何処から撮ったの?
何処に隠れていた?
どうして気が付かなかった?
考えても考えても、わからない
心臓がバクバクと脈打つ
息も荒くなって視線をおろおろとさ迷わせた
思わず握った手の中でゲラ刷りがクシャリと皺を寄せた。
「落ち着いてください」
頭の上で声がする。
落ち着いてなんていられるわけがない
「これって………
……あ、あいばさんは?」
震える声でやっと聞くと
「……まだ相葉には知らせていません。
事務所も手を尽くしましたが、この記事を止めることは出来ませんでした。
確認します。これはあなたですね?」
指差された、相葉さんに寄り添う影。
この人に嘘はつけない。
オレは、櫻井さんの目をみてコクりと頷いた。
「………どうしよう、相葉さんが………
どうしょう………」
あなたの足枷にはなりたくないと、あれ程思っていたのに。
こんな事になるなんて………
動揺し身体まで震え始めたオレとは対照的に、落ち着いた櫻井さんの声。
「大丈夫です。
ここを良く見てください」
櫻井さんはスクープの下、少し小さく書かれた文字(それでも充分大きいけど)を指差した。
それには初めからおれも気が付いていた。
『寄り添う女性は誰?!』
女性……
相葉さんとの体格差からか、何故か女性と決めつけられていた。
「明日、相葉にこれを見せます。
そして、熱愛の女性はいないと突っぱねさせます。
事実ですから。相葉には女性の恋人はいない。
週刊誌も絶対に裏は取れません」
じゃあ、事実無根でこの記事は流せるの?
相葉さんのこれからに障害にはならない?
ほんの少し安心してほっと息を吐いたところで、櫻井さんが
「二宮さん。
ひとつお願いがあります」
きりりとした眉。
意思の強そうな大きな目。
その目が真っ直ぐに俺を見据えていた。
つづく