コンコンコンッ


ノックの音が軽い。
今日の来訪者は機嫌がいいらしい。


扉に手をかけると、オレが開けるより先に外から開いて、押し入ってきた長身にいきなり抱きすくめられた。


分厚いダウンに頭にはキャップ、顔にはマスク。
外の冷たい空気を纏った身体に包まれる。
薄い部屋着のオレはその冷たさに少し身体をすくませた。


まだ、扉も閉じきっていない。


だから、いつも無用心だって言ってるのに……


「……ねぇ、分かったから………
取り敢えずちゃんと中に入って?」


こんな時のこの人に何を言ったって聞くわけはないんだから、扉を閉めるという最優先事項を果たすためにモコモコのダウンの背中をポンポンと叩いて、奥へと促した。


ようやく閉まる扉。


オレの身体を解放した腕が今度はオレの両手を取る。


「リュウちゃん!!」     


オレの源氏名を、テンション高く呼ぶ。
オレを見つめる瞳が輝いている。


「やったよ!!」


ソファーに座るまで待てないらしいあなたは
オレの目を掴んだままずんずんとオレの身体を押しやって部屋の奥へ。


そのままソファーを通り越してもろともベッドに倒れ込んだ。


あなたにのし掛かられて、受け止める重み。


少しだけ身体を起こしたあなたが、鞄を放り投げむしるようにキャップとマスクを取った。
その嬉しそうな顔。


あなたがそんな顔が出来るなら、起こったことは何でもいい。


まるで子供のようにような満面の笑みと、捕食者の眼差し。


一言の言葉も発しないで、オレに股がったまま上着やらセーターやらをポイポイとベッドの下に投げ捨て


食らいつくような口づけも喜んで受け入れた。





シャワーも浴びないままの行為は、本来ならルール違反。
だけど、そんなことはどうでもいい。


後で食らうだろう大野さんからのお小言よりも
今、あなたに丸ごと食べられることを望む。


高ぶった気持ちをオレにぶつけるように、熱く激しくオレを抱くあなたは


だけど、オレを傷つけない配慮だけは忘れなかった。


オレは別に良かったのに……


結局最後は優しさが勝るあなた……         





…………はぁっ…………


オレの中で果てたあなたが、柔らかなキスを落として、トサッとベッドに沈んだ。


間近で合わせる視線


あなたはいつもの穏やかな笑顔に戻っていて、長い指がオレの乱れた髪を鋤く。





「……落ち着いた?」

「………ごめん」


いきなり、衝動のままオレを抱いたことを詫びるあなたは、だけど嬉しそうな笑みはそのままで


「そろそろ話し、聞かせてくれる?」


抱き合ったなごりを残した身体のまま、あなたに向き合って聞いた。















つづく








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いつもお越しくださる方、また最近見つけてくださった方ありがとうございます。


2019年も、あとわずかになりました。


中途半端なところではありますが、アイのお話しは今年はこれで一区切りとさせて頂きます(ストックもちょうどゼロになりました)


年明けは少しお休みを頂いて、時間があったら少し書きためてから続きを書かせて頂きたいと思います。


ご挨拶には出てくると思いますが、ひとまず、今年も拙いばかりのお話しを読んでくださりありがとうございました。
お越しくださる皆様に感謝です。