………………………


…………


立ち込める湯気の気配
シャワーの流れる音


あ、オレまた寝てた


ぼんやりとした意識のなか


まだ目は開かない


眠い


まだ眠れそう


しつこい睡魔に引きずられるようにオレの意識はまた闇の中へと落ちていく


………


…………………


………?


……なんだろう


このかんかく


………?


??


!!!!!


「…なっ!おまえどこ触ってんだよ!!」


不思議な感覚の元がわかって飛び上がった。


「ニノちゃん?なに?なに?どうしたの?」


たった今まで、自分に凭れて眠っていたオレの剣幕に驚いてるおまえ。
だけど、


「どうしたもこうしたもあるもんか!
お、おまえ、今、オレの尻に、
ゆ、ゆびっっ、突っ込んでただろ!!」

「………あれっ?ばれちゃった?」

「い、いったい、ひとが寝てるすきに、なにやってんだよ!!」


一瞬で眠気なんてふっ飛んで、怒り心頭で睨み付ける。


「くふふっ、ちょっと開発?」


オレの怒りなんてまるで意に介さないおまえが悪びれもせず、なんならちょっと嬉しそうに笑ってる。


「はぁ?なんだそのかいはつってのは!!」

「いやぁ
だってニノちゃん痛いのやでしょ?
来るべき時に備えてって……
顔、真っ赤だよ?かわいいなぁ」

「か、かわ……
バカじゃないの?
き、来るべき時って……
だいたいおまえは、ひとが信頼して身を委ねてるってのに、な、なんてことを……」

「だって、せっかくのチャンスだし……」


だから、くふくふ笑ってんじゃねぇよ!


ところが、今の今までニヤニヤと締まりなく笑っていたこいつが一瞬で真顔になり眉間にシワまで寄せた。
と思ったら、今度はその顔がパアッと輝きだした。


なんなんだ、オレは思ってもないことの連続で混乱してるんだよ。
これ以上こわい状況は勘弁してくれ。
と、こいつの次の言葉に身構えた。






「ねえ、お尻触ったのわかるの?」


言うが早いかこいつはまたひとの尻をペタペタとなで回した。


「やめろっ!!バカ!」


…………??


あれっ?


「………わかる
はっきりじゃないけど、触られてるの、わかる」


それは今のオレにはあり得ないことで、期待してなかったせいなのか不思議で、その分厚い服の上から触られてるような微かな感覚がなんなら気持ち悪い。


「感覚戻ってきてるんじゃない?」


怪訝な顔をしてるオレとは正反対な安堵と喜びの混じった顔。からの


「病院!病院行って調べてもらお!」


途端にオレを抱えたまますっくと立ち上がった。
やっぱりこいつばか力だ。


有無を言わせぬとは正にこの事。
オレの返事なんか聞く気のないこいつに、あっという間に身支度を整えられて車に放り込まれ





オレは今、病院のベッドの上にいる。












つづく