「相葉くんの言うとおり、5人で嵐だろ?
4人になったら嵐じゃないし、嵐からニノが抜けるのは考えられない」


翔ちゃんが俺を庇うように宥めるように言うけど、そりゃあ、オレだってそう思ってたけど
現実を見てよ。


今のオレはお荷物でしかないんだよ。
どうしたってそうとしか思えないんだ。


3人は意見が合ったと頷きあって
後ろで今まで一言も発していないおーのさんを振り返った。


おーのさんは何て言う?


オレのも合わせて4人の視線がおーのさんに集まる。


しばしの沈黙


そして


ずっと大仏よろしく半眼状態でじっとしていたおーのさんの瞼がゆっくりと上がって、その目がオレを見た。


「ニノは、どうしたい?」


鋭く射抜かれるわけじゃない。
おーのさんの言い方はあくまでフラット。
どっちでもいいよと言われてるみたい。


「……オ、オレは……みんなに迷惑をかけたくない」

「だから!
迷惑なことなんてないんだって!!」


声がデカイ!
耳元で叫ぶな。うるさい。


翔ちゃんと J という強力な味方を得て、俄然強気なこいつ。
さっきまでわんわん泣いてたくせに、そのどや顔をやめろ。


「相葉くんの言うとおり、嵐にはニノが必要なんだよ。
もっと言えば、俺たちがニノと一緒に嵐をやりたいんだ」


隣のバカとは違って、翔ちゃんは穏やかに諭すようにオレに語りかける。
だけど、オレだって生半可な気持ちで言ってるんじゃない。


「だって、踊れないんだよ?」

「車イスで踊ればいい。
そういうフォーメーションを考えればいいし、もっと踊りやすい動きやすい車イスだって出来るかもしれない」

「着替えだって、ひとりじゃ出来ないかもしれな
「出来る人が手伝えばいい。
幾らでも手を貸すから。
そんなのは当たり前のことなんだから、ニノが負担に思うことはないんだよ」

「あー、ニノの手伝いなら俺っ、俺がやる!」


隣のバカの挙手は置いといて、
翔ちゃんはオレの出来ない理由をひとつひとつ潰していく。


「………それに……ファンだって…」


今までだって、カッコ悪い姿や情けない姿を晒してはきたけど……
それでも、フアンの子達はついてきてくれたけど、さすがにこれは……
アイドルとして、憧れの対象としては成り立たないんじゃないだろうか。
話していて改めて浮き彫りになる。
オレの中の不安。
ファンあってのオレたちだから。


だけど、翔ちゃんは


「それはさ、
ありのままを見てもらおうよ。
それで判断してもらえばいいんじゃないの?
今までとおんなじだよ。
精一杯やってそれを見てもらうだけ」


って笑ってるんだ。


「ただ……」


翔ちゃんの後ろで J がほんの少し眉を寄せる。


「ただ、中には車イスのアイドルに対して、否定的な事をいう人が入るかもしれない。
もちろん俺たちも出来る限りフォローするけど、矢面に立つのはニノだから。
あることないこと書かれて嫌な思いをするかもしれない」


根が優しい J はオレのことを心配してくれてる。


「そんなことはなんでもない。
全然平気」

「だよなぁー
これまでにもあったし、どんな時だって側にいるから。なっ?」


なっ?って
肩に手を回すな、顔を覗き込むんじゃない。


とうとう言葉が出なくなって黙り混んだオレに、おーのさんが呟くように問いかける。


「ニノは、本当はどうしたい?
嵐、やめたい?」






「………オレは…………」












つづく