デリケートな部分に触れています。
ご注意ください。
辛いと思われたらUターンをお願いいたします。









回りの大人たちは、病院側とケンカでもしそうな勢いだけど、オレはそんなことはどうでもいいんだ。


手術が成功だろうが失敗だろうが関係ない。


大事なことは、今、オレの足は動かない、
ということ。


立てない
歩けない
…………踊れない


それは


嵐でいられないことを意味する。






頭の中にはずっと4人の顔が浮かんでいた。


迷惑かける。ゴメン。


嵐、4人になっちゃうな


オレがコケても4人で嵐続けてよ


オレ一人の穴ぐらい、4人で埋められるから


もし……


オレの代わりに誰か新しいメンバーが入って、新生嵐ですってなったら……


それは、ちょっと……つらいなぁ……


オレには何も言う権利ないんだけどさ




だって、もう諦めるしかないじゃない


オレの一番大事なもの……


全部が嵐のためだったから


役者仕事だって、ソロのバラエティーだって嵐に還元できると思うからやってきた。


自分のためなら絶対にしないような我慢だって嵐のためなら出来た。


5人でいるのが楽しくて
5人でみる夢がかけがえなくて


ずっとずっと、これからも5人でいると……


………………思ってたんだけどなぁ









病院のベッドの上、天井をぼんやりと見ていた。


不思議と涙は出なかった。






部屋の隅っこでマネージャーが


「…………あの……ドラマなんですが……」


小さな声でそこまで言うと下を向いてしまった。
そりゃあ、言いづらいよなぁ


「……流れたんだろ?
足が動かなきゃ、アクションは出来ないしな」


怪我で降板なんて良くあること。
まだ実際に動き出してなかっただけ、迷惑は最小限で済んだはず。


それは、別にいいんだ。


オレはマネージャーに手伝って貰ってベッドの背を起こしてそれに寄りかかった。


身体を起こすと、切ったばかりの手術の跡が痛む。
どうせならこの感覚もなくなっていれば良かったのに。


腰から下の感覚がないから、座るのも苦労する。


身体の両脇に支えを置いて上半身が倒れないようにしていた。



もうすぐここにメンバーが来る。


みんなの顔を見るのは何だかずいぶん久しぶりな気がするけど、実際はたかが数日で


その数日でオレたちの置かれた状況があまりにも変わってしまったから、時が流れたように感じるのかな。


少しでも元気に見せたくて、顔も洗ったし髪にも櫛を入れた。


全然触っていなかったケイタイゲームもテーブルの上に出した。







そのうちに


ドアの外からバタバタという足音が聞こえてきた。









つづく