飛行機を降りると、漂う異国の香り。押し寄せるリゾート感。
常夏とは良く言ったもので、照りつける太陽。冬の日本を引きずっている自分の格好が恥ずかしくなるような暑さ。
けれど、日本の夏とは違って、からっとした空気のせいで気温のわりに不快感はない。
「ここはね、とにかく海がきれいだから」
俺が返事をするよりも早く、荷物をホテルに運んでもらう手続きをして俺の手を引いてタクシー乗り場へ向かう相葉くん。
そのままダイビングスポットだという場所に連れていかれた。
タクシーの中からも見えた、青い空と海はやっぱり日本のそれとは全然ちがった。
タクシーを降りる。
視界にはただただ青い空と、青というよりはエメラルドグリーン色の海。
白い砂浜。
よくポスターで見るような、ヤシの木?が風にそよいでいる。
それこそ、雑誌やテレビでよく観るような、
theリゾートな景色。
だけど、本物というのはこんなにも胸に迫るものなのか。
「きれい……」
感動を表す言葉が見つからなくて、思わず呟いたのはあまりにありきたりで陳腐なものだったけれど。
「でしょ?
日本の海もいいけどね。
潤にこの海を見せたかったの」
たった一言、聞こえるか聞こえないかの呟きを拾って嬉しそうに笑うあなた。
そう言って寄せられる笑顔に、一歩後ずさって距離を取った。
ちょっと強引で、俺が納得する前に行動してしまうあなたに戸惑っているのに。
俺が喜んでいるのが嬉しいと言うあなたのその笑顔にキュンとしてしまうなんて、やっぱり俺はあなたが好きなんだと改めて知る。
惜しみなく送られるあなたの愛情は疑いようもなくて、それが嬉しいと思うのに
まだ告げられていない俺の気持ち。
お互いに忙しくて、会っても慌ただしくて、ゆっくりとそんな話をする時間も無かったけれど
この旅行で、俺とあなたの関係は変わるんだろうか
変わるとしたら、どんな風に?
そもそも俺は変わることを望んでいるのか
自分の事が一番分からないなんて
期待と不安が入り交じって俺は上手く笑えずにいる。
つづく