いったい何年の付き合いだと思ってる。
幼なじみでメンバーで、お互い過去の女関係だって知り尽くしてるっていうのに
何で今さら………
だってデメリットしかない。
アイドルで、同性で
たとえオレの独りよがりだとしても、
嵐に、メンバーに迷惑がかかる。
それだけは絶対にダメ。
嵐として5人でいることに比べれば、こんな感情を捨てる事なんて何てことはない。
この場所だけは、何としても守る。
だいたいこんなものは流行り病みたいなもんなんだ。
知らないうちにかかって、そのうち治っていくんだ。きっと。
だったらそれまで誰にもばれなきゃいい。
大きく育つ前に、胸の奥にしまい込んでしまえばいい。
そうしたら無かったことになる。
嘘だって一生つき通せばそれが本当になるんだから……
「智くん、今度は何曲振り付けるの?」
今回は何曲覚えればいいのか。
おーのさんにお伺いを立てる翔ちゃんの顔にはうっすらと不安の色が浮かんでる。
それに引き換えおーのさんは……
「……うーん…………… 2?」
おいおい自分のことだろ!
「3曲!!
〆切あるからね。よろしく!」
おじさん2曲で逃げようとしてたな?
そんな事 J が許すはず無いのに。
ついでにはっぱかけられてんじゃねーか。
ンフフ、そんなにめんどくさそうな顔すんじゃないよ。
「リーダーがんばれー」
「もう何にも降りて来ねえよ。
相葉ちゃんやってよ」
「うひゃひゃっ。
俺に出来るわけないじゃん。
大丈夫、リーダーなら出来るよぉ。
俺、リーダーの振り好きだよ」
天然同士のやりとりは、どうやら純白バカに軍配が上がったようで、返す言葉が無くなったおーのさんがむすっと黙りこんだ。
だけど、内心悪い気がしてないのは顔を見れば分かる。
殺し文句のように好きだと軽く言えるこいつは、だけど本気でそう思ってる。
それを何のてらいもなく真っ直ぐに相手に伝えるんだから、言われた方は二の句が継げなくなる。
二人のやり取りを見てる翔ちゃんはクスクス笑ってるし、J は満足そうに頷いてる。
オレ?
オレはゲーム中だから、このやり取りは聞いてません。
なんなら気配を消したいくらい。
何故なら、こいつに隙を見せたら
「にの、さっき腰が痛いって言ってたよね?
大丈夫なの?
ライブのリハーサル始まるよ。
動けんの?
そういえば何か最近太ったような気がする。
ほらっ、腕ムニョムニョ太ももムチムチ」
……やっぱりこっちに絡んできた。
てか、オレ、隙なんかなかったよな?
静かに自分の世界に籠ってたよな?
「あーうるせー
腕やら足やら揉むんじゃねーよ!
いんだよ、今は!
リハーサル始まったら、踊りまくって絞まるんだから」
身体を捩って逃げようとしても、伸びてきた手は引っ込まない。
それどころか、無駄に長い腕が腹の方にまで回ってきた。
「腹もポニョポニョー
気持ちいいー」
「ひゃあっ、やめろー!!
くすぐってぇーからっ!
いいじゃねぇか、お前が言ってんだろ。
オレは色白、もち肌のポニョっなんだろ、
お前が言った、二宮さんのイメージどおりに、してやってんだよっ!
うわっ、どこ触ってんだよっ!!
だから、はなせっての!」
オレが必死に抵抗してるってのに、
おーい、嵐のみなさーん
そんな、薄ら笑いながら見てないで、
誰か助けてよー
いくらこれが俺たちの日常だとしても
いくら見慣れた光景だとしても
今のオレには本当にしんどいんだよ………
つづく