容赦なく塞がれた唇。
いきなり深く差し込まれた舌が苦しくて、反射的に逃げようとするけれど、頭を押さえつけられて身動きが取れない。
俺の身体を這う手は、這うと言うよりは掴むに似ていて、愛しい人の愛 撫のはずなのに 快 感よも苦痛に近い。
再会の喜びも、近況報告も、何なら愛の言葉さえすっ飛ばしての蛮行にも似た行為ではあるけれど
痛みや苦しさを与えられている俺よりも、辛そうに眉根を寄せ苦悶の表情を浮かべて俺を貪るあなたを見れば
身体の奥からなんとも言えない愛しさがふつふつと沸き上がって、あなたの背中に回した腕に力を込めて、自らその火の玉のような身体を引き寄せていた。
視界に入っていた筈の天井が、次の瞬間には真っ暗になり、頬を埋めた感触に枕に突っ伏していることを知る。
時に下に、時に上に、
自分が何処を向いているのか分からなくなる程、ベッドの上を転がされ。
聞こえるのは今まで聞いたことが無いような自分の 喘 ぎ声と、時々発せられるあなたのうめき声だけ。
それもそのうちに分からなくなって、朦朧とする意識の中で、何度目かのあなたが 達した感覚をうけとめた頃、辺りが白々としてきたのが分かった。
自分の中からあなたが出ていく感触。
もう、指一本動かせない。
「……翔くん」
ぐったりとベッドに投げ出した身体の上から、久しぶりに聞くあなたの声。
それが自分の名前であることが嬉しくて、開かない瞼を何とか開いて見れば、俺を見下ろす優しい笑顔。
ああ、智くんだ
最愛の人のいつもの笑顔に安心した俺は、そのまま意識を手放した。
つづく