雅紀………


雅紀………


求める事が止められない。


喜びに震えるその身体の後ろに、あの人の影を見て勝手に嫉妬していたのは最初だけで


達しても達しても貪欲に俺を求め続けるお前に、俺も負けない程の情熱でお前を求めた。




求める相手を求められる喜び
求める相手に求められる喜び




いつしか意識を手放し満ち足りた顔で脱力する、その身体をなおも揺らし、この上ない幸福の中で俺の意識も途絶えていた。







気が付けば部屋の中はすっかり明るくなっていて、昨夜俺をあれだけ夢中にさせた愛しい温もりは隣になかった。


その代わりに階下から聞こえる、カチャカチャと食器の当たる音。

立ち上る甘い香り。

昨夜の余韻の残る気だるい身体。



なんて幸せな朝なんだろう。


俺は身も心もこの上なく満たされていた。


こんな充足感は俺の人生の中で初めてだった。




階下から漂う甘い香りにコーヒーの芳ばしい香りが混じり始めた。


きっともうすぐ雅紀が俺を起こしに来る。


タンタンタンという軽やかな足音が階段を昇って来て


俺は布団にもぐり込んで寝たふりをした。







≡つづく≡