シャッターを閉めきった部屋の中。
それでも天井付近の明かりとりから朝の日差しが射し込んで、辺りがうっすらと明るくなった頃、かずさんが目を覚ました。
俺は、本当にかずさんが目覚めるまで、ずっとかずさんの寝顔を見ていた。
どれたけ見ていても飽きることがない
少し長めの前髪から覗くおでこ
手を入れた事がないと言っていた眉
その下の瞼のカーブと
それを縁取る睫毛のライン
柔らかそうな頬
なぜか笑っているような口元
スッキリとした顎
ゆっくりと上下する胸
かずさんが俺の手の届くところで安らかな寝息を立てている。
それを見ていられる幸せ。
やがてほんの少し身動いで、かずさんの瞼がゆっくりと開く。
俺をみとめて、半分寝惚けた顔で笑う。
「……おはよ…まぁくん……」
「……おはよう、かずさん」
朝の挨拶を交わす、こんな幸せな朝が来るなんて……
ベッドの上で、んーーと伸びをするかずさん。
スリッパを引っ掛けてペタペタと歩く。
どんな姿のかずさんも見ているだけで嬉しくて
後頭部の盛大な寝癖も愛しくて仕方がなかった。
どうしても緩んでしまう頬は、もう締まりようがなくて
「まぁくん、だらしない顔してる」
かずさんがクスクスと笑うけれど、全部かずさんのせいだから。
二人で並んで簡単な朝ご飯の用意をしながら
「昨夜、寝ちゃってごめんね。
俺、途中から記憶がなくて……」
と、言えば
「そうだよ。
あなた、オレにのし掛かったまま寝る気になってるから。
ベッドに連れて行くの大変だったんだよ。
完全に寝落ちる前に、何とかオレが下から支えてベッドまで行ったんだからね」
ちょっぴり剥れている。
そんな顔も可愛くて嬉しくて、かずさんから目が離せない。
きっと俺は頭のネジが2、3本、はずれて何処かに飛んでしまったんだ。
「目が覚めたら、かずさんが隣にいてびっくりしたよ」
こんなことはかずさんには言えないけれど、かずさんが帰って来たことも未だに実感として乏しいんだから。
かずさんは持ち上げかけた目玉焼きトーストの皿を下ろして、俺を見て
「だって、せっかくまぁくんと一緒にいるのに、別々で寝るなんてもったいないじゃない。
おかげでゆっくり眠れたよ」
俺に負けないくらい頬を緩めるから、
かずさんも俺といる事に幸せを感じてくれているんだと思えて、胸の中がくすぐったかった。
つづく