「翔くんも食う?」
長い串の先に刺さっている、いい具合に焼き色のついたマシュマロ。
それを目の前に差し出されて、条件反射で口を開けた。
開けた口内に焼きたてのトロリとしたものを突っ込まれる。
「ん~~!熱っつい!!だけど……うんま~い」
甘くて香ばしい塊が舌の上でとろける。
美味いものを食べて自然と顔が ほころんだ。
食べさせた智くんも嬉しそうに
「そうか?」
と、笑っている。
「でも、マシュマロなんていつの間に?」
「あっちで女の子の為に松潤が作ってるんだって。涼馬と大吾が持ってきてくれた」
智くんもいつの間にニノの忠犬達と仲良くなったんだ?
二人を見ると、俺達の後ろに陣取って色々と世話を焼いてくれている。
涼馬くんと、大吾くんって言うんだ。
「ありがとう。悪いねお世話になっちゃって。二人ともテニス部のみんなの所にいたいんじゃないの?
俺達は大丈夫だから、遊んでくれば?」
せっかくの合宿の合間の息抜きの時間なんだからと言ってみれば、二人は
「いいえ、松本キャプテンからこちらでお世話させて貰うように言われてますから」
「それに、ここだけの話、相葉さん抜きで二宮さんの側にいられる機会は貴重なんで。
僕らがここにいたいだけなんで、気にしないでください」
熱血ダルメシアンと抜け目ないスピッツ、ってとこか。
そんな二人をニノは
「んー、お前ら可愛いこと言うじゃんか。
よーし、よしよし」
肩を抱き寄せて、頭をわしゃわしゃと掻き回している。
まるっきり犬にするような態度だけど、されている二人はうっとりしているから、コイツらニノの犬の自覚あるんじゃね?なんて思ってしまう。
ニノはといえば、どうやら焼きマシュマロがすっかり気に入ったらしく、食べ頃を智くんから奪い取っては、アチアチ言いながら食べている。
「ん、まーーーい!」
と、両目も口も鉛筆で引いた一本線みたいな顔のニノ。
何だよ、可愛いじゃないか。
智くんなんて、焼くだけ焼いて、自分はまだ一口も食べていないのに、ニノに涼ちゃんも大ちゃんも大野さんに焼いて貰うといいよ、とか言われて、いそいそと新しいマシュマロをセットしている。
川に目をやれば、雅紀たち川遊び組が滝の上に張り出した岩から飛び込みを始めている。
もちろん先陣を切ったのは雅紀で、大の男達が飛び込む度に、ボチャーン!!と大きな音が辺りに響いている。
その楽しそうな顔ったら、まるで子供。
あんな高いところが飛び込んで、何が楽しいんだ?
俺にはさっぱり分からない。
決して高い所だからという訳ではなく、意味もなく飛び込むという行為が分からないんだ。
決っして決っして高いからではない!
つづく