処置室の中から


バンッ!


という音がした。


かずさんに施された電気ショックの音なのか、身体に流れた電流のせいで、カズさんの身体が跳ねた音なのか。


続いて櫻井先生の声。


「声かけて!聞こえてるから」


二宮さん!
二宮さん、頑張って!


かずさんの回りにいるんだろう、看護師さん達が口々にかずさんを呼ぶ。


けれど、櫻井先生の大きすぎる声は、処置室の外にいる俺に向けたものだと俺は受け取った。


「かずさん!
    かずさん!
帰ってきて、かずさん・・・」


俺は扉の向こうの見えないかずさんに向かって叫び続けた。


かずさん!
聞こえてるでしょ。
帰ってきて。


約束、破ってごめんね。
怒っていいから、何度でも謝るから。


俺のこと、嫌いになってもいいから。


帰って来てよ。


生きてよ。


かずさん、かずさん、かずさん…………





電気ショックの音は、二度、三度と続き……


その間も、ずっと扉にすがり付いて俺はかずさんを呼んでいた。


かずさん、かずさん、かずさん………













そして、中から聞こえる看護師さんの高い声。


「………心拍、再開しました!」


続いて櫻井先生の、よしっ!という言葉。



それを聞いた途端、俺は膝から一気力が抜けて、ズリズリとその場にへたり込んだ。


かろうじて片手だけは扉に手を掛けていたけれど、腰が抜けたように身動きが出来なかった。


心拍が戻ってもまだ処置は続いていて、看護師さんが俺の座り込んだ反対側の扉を開けて忙しそうに出て来た。


足元に踞る俺にちょっとビックリして、けれどすぐに


「もう大丈夫ですよ」


と、言ってくれた。






かずさん……生きてる……


良かった……



俺はその後も自分では身動きが出来ずに、戻って来た看護師さんに肩を貸してもらって長椅子に座らせて貰った。





暫くして処置室から櫻井先生が出て来た。


俺は、まだ立ち上がることが出来ずに、俺に向かって歩いてくる櫻井先生を呆然と見上げた。


櫻井先生は、ふぅっと息を吐くと俺の隣にドサリと座った。


「……先生」


俺は、自分が何をしたか、どうしてこうなったか全部を櫻井先生に話そうとした。


「取り敢えず、危機は脱したよ。
まだ意識は戻らないけどね。
今、ICUに入れたから」


俺が話し始める前に櫻井先生が口を開いた。









つづく


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こんばんは。

お越しくださりありがとうございます。



ブラペロスが思ったよりも重症らしく、お話の中にちょいちょい出て来てしまっていますね。


どうぞ温かくスルーしていただけると有難いです。




さてさて、本題です。


明日15日の17時、

ここママさんとの月1のコラボ『抱擁』をアップします。

お寄り頂けたら嬉しいです。

よろしくお願いいたします\(^o^)/












つづく