「オレは……ダメだよ…」
俺の言葉はあなたにどう響いたんだろう。
俺を拒絶したあなたの苦しそうな表情(かお)に胸が痛んだ。
「……あっ、いいの、ごめんね、困らせようと思った訳じゃあないんだ。
受け入れて貰えないのは分かってるから」
分かっていたこと。
それでも気持ちが萎んでいくのは仕方がない。
知らずに肩を落とす俺を見たからなのか
「………そうじゃなくて」
俺の気持ちを察してくれたのか、苦しそうに呟くかずさんにますます胸の痛みが増してくる。
「気遣ってくれなくていいんだよ。
やっぱり困るよね。
俺に好きだなんて言われたら気持ち悪いで
しょ。
ごめんね、どうしても俺が伝えたかっ…」
「そうじゃない!!」
「……そうじゃなくて……オレは……
オレはダメなんだよ!」
気まずさを誤魔化すように話続けようとした俺の言葉を遮ったかずさんの声。
初めて聞く、かずさんの大きな声、感情的な言葉。
びっくりして固まった俺の前で、かずさんは次の言葉を探しているのか、左右に目を泳がせて
だけど、それきり次の言葉はなくて
かずさんは、うつむきテーブルの上で拳をぎゅっと握ると、席を立ちそのまま自分の部屋に入ってしまった。
ひとり残された俺。
やっぱり言わない方が方が良かったのかな。
男の俺から好きだって言われるなんて、
かずさん嫌だったよね。
あんまりかずさんが優しいから、もしかしたら想うことくらいは許されるんじゃないかなんて……
やっぱり常識で考えたらあり得ないから。
かずさんの拒絶にショックを受けていないと言えば嘘になる。
だけど、俺は後悔はしていないんだ。
たとえ受け入れてもらえなくても、俺にとっては大事な大事な想いだから。
これからも、この気持ちは変わることはないと思えるから。
だから
出来れば明日からも、今まで通りに接してくれたらいいなぁ。
なんて、脳天気に思いながら俺は後片付けをして、風呂に入った。
お湯の温度は適温なのに、いつも妙に温度の低いこの家の浴室にブルッと震え、どうせこの後お湯を落とすからとそのまま湯船に飛び込んだ。
少し熱めの俺好みのお湯に浸かってほうっと息を吐きながら、明日は仕事が休みだから屋根の雪下ろしをやってしまおうかと、考えていた。
つづく