小市さんの奥さんが作ってくれたうどんを抱えて、二人で俺の学生マンションに帰って来た。


順番に風呂に入って、もらったうどんを温めて小さなローテーブルに向かい合って座る。


うどんはすごく美味くて、空きっ腹にしみて、
俺はそれを一気に腹の中におさめた。


体の外も中もあたたまって人心地ついた俺は、やっと回りを見る余裕が出来て、顔を上げると目の前でゆっくりとうどんをすするニノがいた。


オレのスウェットはニノには大きすぎてブカブカ。


それがよけいに可愛くて、広くあいた衿ぐりから見える湯上がりのピンクの肌が色っぽくて目が離せないでいたら


「なにじろじろ見てンだよ!」


可愛い顔から可愛くない言葉。


ハッと我に帰った。


こんな邪な気持ちを悟られる訳にはいかない。
俺は慌てて話題を探した。


「えっと、ニノ寒かったでしょ、風邪引かないかな?大丈夫?」


「しっかり風呂にも入ったし、充分あったまったから大丈夫だろ」


うどんをすすりながら上げた目が俺の動揺を見透かしているようでよけいに慌ててしまう。


「そ、そっか、だったら良かった」


むやみやたらにテーブルを拭いてみたりして、するとニノが


「あーー美味かった。

食ったらなんか眠たくなってきた。

相葉さん、泊めてよ」


えっ?泊めて?

ドキッ!


いやいや、ニノは眠たくなったって言ってるじゃん。

俺、意識しすぎだから


「い、いいよ」


俺が答えるとニノは


ごちそうさまと手を合わせ、食べ終わった食器を流しに持っていった。


「眠いでしょ、片付け俺がやるから、
ベッド使って」


声をかけると戻ってきたニノはもう目が半分閉じてる。

カワイイ…

毎日のように大野さんとダンスの練習してるし、雨にも打たれて体力は限界なんだろう。


半開きの下まぶたに長いまつげの影が射してる顔はスッゴク綺麗。


足元がおぼつかなくてちょっとふらふらしてるところは、もうどうしようもなくカワイイ。


ずっと見ていたいけど、ぶつかりそうで危ないから手を取ってベッドに連れていった。


俺にされるがまま、おとなしくベッドに潜り込む姿がカワイくて、眠そうなニノ、癖になりそうなんだけど。


ニノをベッドに寝かせて食器を片付けた。


俺も今日は疲れた……


だけど、寝ようと思っても狭いシングルベッドに男二人は無理があるし。


俺は床でいいかとクッションを並べだしたら


「何してるんだよ。こっち」


ニノが自分がかぶっている布団をめくり上げた。


あんなに眠そうだったのに、まだ起きてたんだ。


「でも狭いよ」


「大丈夫だから」


ずりずり身体をずらして、ベッドを半分空けてくれた。


シングルに男が二人だよ。

どう頑張ったってピッタリくっつかなきゃ寝られないでしょ。

俺はいいよ。

俺は嬉しいよ。

もしかして、ニノを抱き締めて眠れるかもしれないなんて天国じゃん。

だけどニノはいいのかな?

俺、好きだって言ってるよね。

もちろんプラトニックじゃないよ、ニノはそれ分かってるよね?

それでひとつのベッドって…

すこしは期待していいのかな?

ちょっとくらい触ってもいいってことなのかな?


俺は期待に胸を踊らせながらニノの隣にすべり込んだ。









つづく