9月も半ばになると日もだいぶ短くなって、朝晩はひんやりしてくる。
季節も過ごしやすくなったしこれからが学祭準備の本番。
と、思っていたら翔ちゃんに
"もう、俺たちのやることの大半は終わったよ"
と、言われた。
「これからは学部やサークル、あとは希望のあった有志が実際に動いて行くから、俺たちはその補助になる。
まぁ、より具体的に動かなきゃならない事はあるけどね」
そんな中、凄く忙しそうなのは松潤で
「舞台やステージは本番当日まで何があるか分からないから、俺は全部が終るまで気が抜けないな」
大変だと言いながら笑う顔がキラキラしてる。
充実してるんだな。
休みが明けてからニノも忙しそうだ。
学祭で大野さんと一緒にダンスを披露することになったって、暇があると練習している。
どんなダンスなのか俺は一度も見てないから分からないけど。
"リハーサルは絶対に見に来るな"
って、言われてる。
なんでダメなのか分かんないけど、練習はってことは本番は見ていいってことだよね。
早く見たい。
スッゴク見たいけど、本番を楽しみにガマンしてる。
そして俺は、準備委員としてやることはあったけど、バイトの方にもだいぶ時間を割けるようになっていた。
一山越えて妙な達成感があって気が抜けていたのかもしれない。
だから、あんなミスを犯してしまったんだ。
その日俺は授業後のバイトを終えて、ニノに会いに学校に戻った。
以前程ではないにしても、ニノは翔ちゃんと準備室にいることが多かったから、差し入れを持って行ってあげようと近くのコーヒーショップに寄ってコーヒーを買った。
俺はなんだか浮かれていて、無意識に鼻歌まで歌っていたみたい。
「ニノ~いる~?」
ドアを開けると、いつも俺を見るなり
「早く終わった時くらい早く帰れ」
と、俺の体を心配してくれてるくせにわざと冷たく言い放つニノと、そんな俺たちのやり取りをニヤニヤ笑って見てる人達。
俺はそんな雰囲気も大好きなんだけど…
期待して入ったそこは、おちゃらけた俺とは正反対の重い空気。
翔ちゃんがスマホを手になんだか必死で謝っている。
俺に気付いたみんなの視線が一斉に注がれた。
つづく