ガチャン、ギーッと後ろで鉄のドアの開く音。
振り返って見ると松潤だった。
俺がここにいるの 分かって来た?
俺はその整った顔を見つめた。
「まぁが階段を上がって行くのが見えたから」
松潤はツカツカと俺の隣まで来ると、柵に凭れて伸びをした。
「どうした?
最近ニノと気まずくなってね?」
やっぱり松潤にも分かるよね。
「ニノが、あんな目に遭ったから?」
「まさか!そんな事ない!!
ニノは何にも変わってない!」
「じゃあ、いつまでも翔ちゃんを諦められないニノに愛想つかした?」
俺は強く頭を振った。
「ニノ、何か言ってた?」
「いや、あいつは何も。
だけど、思う事はあるんじゃね?」
「ニノが悪いことなんて一つもない。
ただ俺はニノに何もしてやれないから。
そんな俺がニノの側にいても、ニノの為にならないんじゃないかって」
「…らしくねー事、考えてんだ」
並んでた松潤が俺に向き直る。
「別にニノに何かしてやんなきゃなんない
なんて事ないだろ?
あいつ、子供じゃねーぜ
まぁは、まぁのまんまニノが好きだって気持ちだけ持ってニノの側にいればいいんじゃねーの?」
「だけど……」
煮え切らない俺…
いつも力付けてくれる優しい眼差しで俺を見た松潤が空を仰いだ。
沈黙。
俺は答えが出せないままだし、松潤もそれっきり何も言わなかった。
しばらく間が空いて、おもむろに俺に向き合った松潤。
「どうしても辛くって、ニノを諦めるって言うんなら」
松潤の手が俺の肩にかかり、耳に唇を寄せて
「……俺にしとく?」
囁いた。
「へっ?」
驚いて松潤を見た。
目の前にある超綺麗な顔が、思いの外真剣に俺を見つめていた。
「言わないつもりだったけど、俺本気よ。
俺ならまぁを悩ませたりしない。
ベタベタに甘やかしてやるよ」
驚きすぎて固まっている俺に松潤は優しく笑うと、肩をポンポンと叩いて
「考えといてよ」
と、俺に背を向けた。
軽く手を振った背中がドアの陰に消えて
俺は、柵に凭れたまま膝から力が抜けてズルズルとしゃがみ込んだ。
………どういうこと??
それって…
松潤が……俺を…………?
超絶イケメンで、凄いいい奴で、学内を歩けば女の子が鈴なりになる、あの松潤が?
………うそぉ…
つづく