えっ、なんで?


何年も片想いしてる、好きで好きで、大学まで追いかけて来ちゃうほど大好きな翔ちゃんにニノは告白しないと言う。



「ねぇ、なんで?

なんで言わないの?」


「……言った所でどうにもならないし」


確かに、あの二人の間が壊れるとは思えない。
まぁ、どうにもならないよなぁ。
だけどそれは100パーセントな訳じゃなくて…
限りなく100パーセントに近いけど、でもでも


「そんなの言ってみなくちゃ分かんないじゃん!」


「分かりきってるだろ!

おれの事はいいんだよ!!

ご馳走さまっ、相葉さん」


俺の追及にイラついたのか、残りは氷だけになったアイスコーヒーの紙コップをタンッと置くと、そのまま席を立って出て行ってしまった。


後に残された俺と松潤。
松潤が呆れたように俺を見る。




「お前、ニノ煽ってどうすんの

ニノが告って万が一翔さんがその気になったら、お前が失恋するんじゃねぇの?」


「……そうだけど…

だって、好きなのに…

伝えることも出来ずに、ただ見てるだけって辛いじゃん

そりゃあ、切ない顔も綺麗だけどさ…
だけどニノの笑った顔はすっげぇ可愛いから。

ニノには笑ってて欲しいんだよ!」


思わず声がでかくなる俺に


「…それ、本人に言えや」


松潤は、またかとため息をついた。


「ふふ、そうする~」


そうは言ったものの、さっき出ていくときのニノの顔が頭をよぎる。立ち止まったまま身動きの出来ないニノ。このまんまで良いわけはないと思う。だけど、ニノがそれでいいっていうのなら…


だけど……


俺も、本当はどうしたらいいのか分からないんだよ。


殆んどニノに飲まれてしまって、飲み物のないまま食べ終わったハンバーガーの包み紙をクシャリと丸め、少し離れたゴミ箱にポイッと投げた。


放物線を描いたそれは、狙った通りにゴミ箱の中に消えカサリと音を立てた。





つづく