「お二人さん、見せつけてくれるね」
ニヤニヤしながらからかう松潤に翔さんは
「見るのが嫌なら目瞑っとけよ」
と平然としている。
俺はあっけにとられて呆然としていると、翔さんが俺を目に止めて
「君は?」
目が眩むほどの爽やかな笑顔をくれた。
「こいつは相葉雅紀。
年は俺らより一コ上だけど同級生で、最近よく三人でつるんでんの」
松潤が紹介してくれる。
「教育学部一年、相葉雅紀といいます。
櫻井さん大野さんよろしくお願いします」
先輩への礼儀だ、俺は腰を90度に折るように頭をさげた。
「なんだ、同い年じゃん。
櫻井さんはやめて、こそばゆいから翔でいいよ」
えっ、なまえで呼べって?
でも、元生徒会長でしょ?
カリスマでしょ?
なんか畏れ多い……
だけど、
あんまりすごい人過ぎて勝てる所なんて一つも見当たらないけど、この人は俺のライバルなわけで……
この人に持って行かれてるニノの心を俺は奪いたいと思ってるわけで……
ここで怯んでいる訳にはいかない。
「……じゃあ、
ニノと同じに翔ちゃんって呼ばせてもらいま
す。」
「…翔ちゃん、俺、入学式でニノに一目惚れして、今猛アタックしてるんです」
ある意味、宣戦布告する。
と同時にニノにも分かるように、
ニノ、ニノがどんなに翔ちゃんを好きでも、俺は絶対諦めたりしないからね。
「ニノは俺の運命の人なんです!」
俺の宣言にびっくりしたんだろう。
翔ちゃんは赤い唇に彩られた口をポカンと開けて、目ん玉が飛び出るんじゃないかと思うほど目を見開いて固まった。
だけど、次の瞬間
「あっはっは
ずいぶんいきなりだねー
でも、いいねぇ雅紀。おもしろい」
豪快に笑うとニノに
「ニノ、モテてんじゃん」
口調はからかっているようだけど、優しい眼差しを向ける。
「勘弁してよ翔ちゃん。
こいつ、いつもこの調子なんだよ
聞き流していいからね」
翔ちゃんに認められてしまうのも、複雑なんだろう。
ニノはちょっと困った顔をしてる。
だけど、翔ちゃんは全く気付かない様子で
「うん、気に入った!
それじゃあ三人には、俺の手伝いをしてもらおうかな」
手伝い?
聞き返した俺に、意味深な笑顔を寄越しただけで、翔ちゃんはそれ以上そのことには触れなかった。そして、大野さんを休ませなきゃと立ち上がった。
そんな俺達のやり取りを、ふにゃんとした優しい笑顔でずっと見ていた大野さんは、去り際に
「じゃあまたね、松潤、ニノと…
相葉ちゃん?だったよね」
と、笑って手を振ってくれた。
つづく