柔らかくなったニノに安心する。

まぁ、最初から本気で怒っているとは思っていないけど。


「ごめん、忙しいのに。

これからこっちを出るんじゃ、向こうに着く頃には朝になっちゃうんじゃないの?

寝る時間、なくなっちゃうんじゃ……」



「オレは車で寝るから平気。

オマエこそ、人の事ばっか気にしてないで、少しは自分の事を考えろよ」




そう言うとお前はスッと立ち上がって、台所からお粥を持って来てくれた。



「夏だから、ぬるめに作ったから。

あんまり熱いと辛いだろ?」



「…ありがとう」



そっと口に入れると、ちょうど食べやすい温度になっている。


でも、やっぱり食欲は無くて、ゆっくり少しずつ口に運んだ。

そんな俺の様子を見てお前はふうっとひとつ息をはいた。


「ん、食べられたね。



……まーくん、もっと人を頼りなよ。

迷惑かけるとか、相手に悪いとか思ってるんだろうけど、

そういうのをみずくさいって言うんだよ。

オレを含め、メンバーだってマネージャーだって、アンタが大変な時は頼って欲しいし、出来る限りのことはしたいと思ってるよ。

辛いときに辛いって言うのは迷惑をかけるのとは違うと思うよ」


いつになく真剣な瞳に見据えられる。



「オレは…まーくんが一人で耐えてるって思う方が、イヤだよ」


辛そうに絞り出された言葉に


「うん…」


俺は、それだけ言うのが精一杯だった。





つづく