待ち合わせは、 個室居酒屋。

実は──サイトを辞める直前、連絡先を交換できなかった彼女。

最後に「二週間後、このお店で。予約名はこれで…」とだけ伝えて、私はサイトの退会ボタンを押した。


だから今日、彼女が本当に来てくれるかは分からない。

心配と期待が入り混じったまま、私は少し早めに到着した。


「…もし来なかったら、どうやって帰ろう…」

そんな不安を胸に、ひとりでスマホを眺めていた


⏰ 約束の時間

まだ来ない…。

1分、2分、そして……。


入口の方から「チリン」と呼び鈴が鳴る音。

店員が誰かを案内する気配。

──ドキドキが一気に高鳴る。


そして襖が開いた瞬間。


👩✨ 目の前に現れたのは、

本命と呼べるほどの美しい人。


「…来てくれたんだ」

思わず漏れた私の言葉に、彼女は少し照れながら微笑んだ。


「私も…本当に会えるか心配で。昼間、予約がちゃんと入ってるか確認しちゃったの」


その声、その笑顔に、緊張が一気にほどけていく。

二人きりの個室、ほの暗い照明。

やっと始まった、大人の時間──。