こんにちは!宮城県内でヨガインストラクターをしています、あかねです。

近年の異常気象の様子を見ていると、緊急時の対応について考えることももちろん大事ですが、異常気象を生んでいる私たちの暮らし方自体も見直さなければいけないな…と思っています。
私は、電気をこまめに消す…無駄な買い物をしない…くらいしかできていませんが、できること、まだまだありますよね。
ヨガでもそうですが、気づこうとしなければ得られない気づきはたくさんあるので、改めて自分の生活を見つめなおしてみようと思います。



さてさて!今日は、「呼吸」について書いていきます。

つい先日、私のレッスンをいつも受けてくださっている男性から、レッスン後にこんな質問をいただきました。

「”伸びていると感じるところに呼吸を入れる”ってどういう意味?」

実はこれ、レッスン中に私が皆さんに良くお伝えしていたことなのですが、文章にしてみると、余計意味分からないですね笑。ごめんなさい滝汗

 

呼吸(空気)は肺に入るので、実際に今伸びている箇所に入るわけではないのですが、伸びている箇所に呼吸を送り込むように意識すると、意識を向けた箇所がさらに動き出し、ポーズを深めることができますよー
ということを伝えたかったのですが、イマイチどころか「?」を出させてしまったようで…反省…。

この時は、上記の説明をしてみて、「要するに伸びている箇所に意識を向けるってことね!」ってな感じで一旦納得となりました。
ただ、「意識を向ける」でも決して間違ってはいないのですが、ちょっと足りないというか、私が感じている感覚をしっかり伝えられていない気がしまして、そこのところを、改めてまとめてみようと思います!!



【呼吸法=プラナヤマとは】


まず初めに、ヨガの呼吸法について簡単に説明します。
ヨガでは、呼吸法=プラナヤマと言います。
一般的には、呼吸のコントロールと定義されていることが多いですが、分解すると、それぞれ下記のように定義されています。
・プラナ=宇宙の根源的エネルギー(生命力)
・アヤマ=拡張、拡大

生物における呼吸とは、いわゆるガス交換(血液と細胞、空気と血液)と定義されているようですが、ヨガでは、それだけではなく、肉体にプラナを循環させ、生命力を活性化し整えるためのテクニックとして、呼吸を用いています。

「アヤマ=拡張、拡大」は呼吸で肺を膨らませる(拡張させる)ことを意味しているのではなく、(私は最初そう思っていた笑)プラナを拡張させることで、心身の限界を超え、より高い次元のエネルギーや意識に到達することを意味しています。


えーと…とりあえず、ヨガでは、呼吸は空気を取り入れるだけでなく、生命エネルギーを高める役割も果たしているらしい…と認識していただければ良いと思います♪

ちなみに、プラナヤマにおいて、重要とされていることが、「クンバカ(呼吸保持)」という、息を止める呼吸法です。
上級レベルになると、瞑想が非常に深まったときに無意識に呼吸が止まることもあるそうです。

息を「吸う」「吐く」ができるようになってきたら、今度はいかに止めるかということにシフトしていくのですね~面白いですよね。

プラナヤマについての深堀りは、次回の記事で、またまとめていこうと思います。



【”伸びていると感じるところに呼吸を入れる”の見解】

実際にアサナを取りながら、伸びていると感じる箇所に呼吸を送るようにすると、呼吸と合わせて、その箇所の筋肉も動いているように感じられました。
呼吸を送ろうと意識をした筋肉が、呼吸と連動して動いている感じ。
私としては、意識した箇所に呼吸が入り、ほぐしているようなイメージなんですよね。

でも、これってどういう仕組みなのかなーってことで、私なりに調べてみました。



【インナーマッスルと呼吸】

突然ですが、呼吸といえばインナーマッスルですよね笑。
ドローイングという、呼吸を使ったインナートレーニングもありますね。
 

インナーマッスルで、呼吸に作用する代表的な筋肉は、「腹横筋、横隔膜、多裂筋、骨盤底筋、内腹斜筋、腸腰筋」だそうです。
インナーマッスルに限定しなければ、大胸筋や外腹斜筋などもあり、呼吸って案外たくさんの筋肉を使ってるんだなーってことが分かります。

さらに、アナトミートレイン(筋膜経線)という筋膜の繋がりを表した解剖学があるのですが、
ディープフロントラインというインナーマッスルの経線を見てみると、頭がい骨の後ろから上記のようなインナーマッスルを通って、足底筋までずーっと繋がっているんですね。

なるほど。呼吸筋を含むインナーマッスルと連動して、他の筋肉が動くのはあり得そうです!だって繋がってるんですもん!

ということで、皆さん、呼吸と筋肉を連動させてみましょう!

…と言っても、簡単にはできないですよね。
よく考えたら、私も呼吸と連動して感じられるようになったのって、結構最近のことかも。
ヨガを学び始めたときなんて、呼吸は止まるし、肩はすくむし、ポーズ中に呼吸すると苦しいし、呼吸をするという意識を持つだけで精一杯という感じでした。

呼吸筋とその他の筋肉を連動させるって結構難しい。
そんなことを当たり前のように皆さんに伝えていた私…本当にごめんなさいゲッソリ



【アサナ中の呼吸の深め方】

アサナ中、呼吸を深めるための第一歩は、「心地良い呼吸ができているか」を確認することです。
呼吸が心地良くできない内に、急に「呼吸と筋肉を連動させるのです!」と言われてもできなくて当たり前ですよね…。

では、心地良い呼吸をするにはどんなことを意識すれば良いのか、私なりにまとめてみました!

まず、呼吸に意識を向ける方法として、身体の中心軸を感じてみることをオススメします。(特にアサナに入る前だと分かりやすい!)
中心軸を感じようとすると、今まで身体の末端に行っていた意識が中心に戻り、末端の余分な力を抜くことができます。
余分な力が抜けると、自然と落ち着いた呼吸に戻すことができるので、ぜひ試してみてください♪

下記にも何点かポイントをまとめてみました。

①吐く意識
普段の生活で、呼吸を意識することはあまり多くないので、呼吸自体が浅くなっている方も多いと思います。
なかなか呼吸が身体に入ってこなく、息苦しいと感じる方は、まずは吐く息を意識しましょう。
吸ってばかりでは、呼吸が入ろうにも入れない状態です。
しっかり吐き切れば自然と呼吸が入ってくるようになるので、まずはしっかり吐き切ることをしてみましょう。


②呼吸が止まっていないか確認をする
呼吸をしなくちゃ!と意識しすぎてしまうと、身体が硬くなり逆に呼吸がしずらくなってしまうこともあります。
なので、呼吸が止まっていないかただ観察をしてみましょう。
呼吸が止まっていたり、苦しいと感じたら、アサナを一度ほどいて息を吐きます。
そこから、ひとつ前段階にゆるめた状態に戻り、大きく息を吸い、吐く息で再度キープをしてみましょう。


③呼吸が入るところを探す
当たり前ですが、呼吸は肺(肺周りの筋肉)で行います。
胸式呼吸をすれば胸に空気が入りますし、腹式呼吸をすれば横隔膜が下がりお腹に空気が入ったようになります。
また、鎖骨呼吸という呼吸法もあります。
実際、肺は鎖骨の上まであるため、鎖骨の方まで空気を入れることも可能なんですね。
あとは、背部に入れることもできます。
背中を丸くしたときに呼吸をすると背中がふわっと膨らむのが分かると思います。
前屈の時は背部に入れると呼吸がしやすいですし、後屈や側屈のときは胸にいれやすいです。
ねじる動きなどでは呼吸が特にしずらく感じるかもしれませんが、肩の力を抜くと鎖骨の方に呼吸が入る空間が見つかったりします。
呼吸が苦しいと思ったら、焦らずどこか呼吸が入る部分がないか探してみましょう。
見つからない場合は、②のときのように一度アサナを解いて、呼吸が入る箇所を作ってみましょう。


④アサナ間の動きに合わせて呼吸をする
これはアサナのキープ中ではないのですが、呼吸に身体の動きを乗せるようなイメージです。
ヴィンヤサなど、動きの中でアサナを組んでいく場合は、アサナとアサナのつなぎの動きの中でも、呼吸を合わせて動けるようになると、とても気持ち良く動くことができます。
ex)吸って両手を天井に挙げ、吐きながら前屈をするなど。


ちなみに最後のシャヴァーサナのときは、呼吸への意識も手放します。
シャヴァーサナは、瞑想のポーズです。
「私が私自身に満足する」を実際に味わえる時間なので、身体への意識、浮かんでくる思考、呼吸への意識をも全て手放して、ただ何もない状態を味わうようにしてみましょう。
…ってこれもかなり難しい笑。


ヨガで、呼吸はとっても大切です。
最初はやはり難しいと感じてしまうかと思いますが、徐々に呼吸が心地良いものに感じられるようになっていきます。
構えず、できる範囲から、「心地良い呼吸」を探していきましょうウインク