質問:「大変です!!・・・と言っても、答えはもう予想できていますが、でも一応質問しますね。」

 「大変です!!エレニン彗星が急カーブをしたそうです。普通、彗星は急カーブをしませんよね?」


回答:「答えが予想できているなら、質問しなくてもいいじゃないですか。でも一応答えておきますね。」

「これは、予測された『見え方』です。何ら不思議なことではありません。」


~解説~

 この話題は、もう2ヶ月以上前の話で、もうすでに「不思議!」や「謎!」の話題は別なものに移っています。
 今の時代、噂やウソを広めるのは簡単ですが、それらを否定するため、誰でもわかりやすいように検証するのは、資料をあつめたり図や表をつくったりして、骨がおれるものです。この「非対称性」は、どうにかなりませんかね~

 おかげで記事にするのがこんなに遅くなりました。(言い逃れ度50%)

 と、愚痴を言ってばかりでは、つまらないので、さっそく始めましょう。

 いつものように・・・問題の動画は、2011年9月2日に投稿されたこれですね。

Elenin stays the course(9/2/2011)

エレニンニモマケズ


http://youtu.be/XAjH0ac14XI



 これは、地球と「同じ軌道」をまわっている、STEREO BというNASAの探査機によって撮影されたものです。期間は、2011年8月22日から、8月30日にかけてです。見てのとおり、星々の間を動いていくエレニン彗星が捉えられています。この動画は、おそらくNASAのSTEREO探査機のWEBサイトから静止画を入手し、つなぎあわせてつくったものではないかと思います。そのWEBサイトはこちらになります。


 「Search for STEREO Images」 http://stereo.gsfc.nasa.gov/cgi-bin/images


 YouTubedeでは、他にも似たような動画が見受けられました。
 そして、これらの動画を紹介したブログでは、判で押したかのように、このような解説が書いてありました。YouTubeに書いてあったコメントを訳したもののようです。


  1)エレニン彗星が、急カーブをした。
         ↓
  2)彗星は、普通急カーブをしません。
         ↓
  結論:だから、エレニン彗星は、災いをもたらす特別な彗星である。


  結論については、書いていないのもありましたが、他の文で、暗にそんな感じをにおわせるような書き方でした。エレニン彗星が宇宙船じゃないかという話もここからでていました。


 この動画が出た時期が、2011年9月2日というのもインパクトが大きかった理由でした。なぜなら、8月末は、「エレニン彗星は消滅した」という噂が広まっていた(そして、皆、安心していた)時期だったからです。

本当は、「急激に暗くなっている」という観測情報を、誰かが、故意かどうかわかりませんが「消滅した」という情報にすり変えて広めてしまっていたというのが事実です。(この件、第3話にかいています)
 エレニンが、なくなったと喜んでいたのもつかの間、突然現れ、そのうえ「急カーブ」もして見せたので、みんな、え、えーとなったのでした。


 さて、詳細な検証に入る前に、上に書いた、1)、2)、そして、結論)を、もう一度見てみましょう。すでに、これらの文は、十分に怪しいのですよ。

 まずは、

  1)エレニン彗星が、急カーブをした。


 ここで、「急カーブ」って何?という疑問がわき起こります。以前の記事で、「直列」を話題にしましたが、それと同じことです。「急カーブ」の意味が全く曖昧です。これが自転車や、車など日常のものだったらわかります。「車が急カーブをしたよ!」と言えば、だいたい他の人にも伝わります。

 しかし、この対象は地球から1億kmも離れた天体です。時間や距離のスケールが日常のものではないため、このような言葉を使うには、きちんと定義する必要があると思います。逆に、定義しない曖昧な言葉でお茶を濁しているようでしたら、それは信用するに足りません。戯言です。


  2)彗星は、普通急カーブをしません


 これも変です。というか、情報が足りません。なぜ、彗星は「急カーブ」をしないと言い切れるのか、それを説明していません。まるで「つべこべ言わず、俺の言うことを聞け!」と言っている、ジャイアンのようですね。


  結論)だから、エレニン彗星は、災いをもたらす特別な彗星である。


 1)2)が、ダメダメなので、そこから、もたらされる結論)は、まったくあてになりません。はい、おしまい。



 さて、これからどうやって進めましょうか?

こうやればよいのです。


 「エレニン彗星の予測される動きを調べ、実際に観測された動きと比べる。」



 奇抜な答えを期待した人、なーんだ、当たり前のことではないか、とがっかりしないでください。当たり前のことをやらずに、騒ぐだけ騒ぐ人やブログが、なんと多いことか。
 実際それをやる技術(スキル)がない人もいるでしょうが、それならそれで、「確かに曲がったかのように動いているけど、予測された軌道と比べてどうなの?」と疑問を出してやってください。そしたら、「お、それなら、俺がひとつ計算やってやるかー」と身を乗り出してくる奇特な人がいるかもしれません。
 そんな人やブログがないものですから、私が仕方なくやることになってしまったのですよ。そして、
一回乗りかかったら、とことんやらないと気がすまないんですよ。なんとも因果な性格ですね~、とまた愚痴を言ってしまっています。


 はい、動画ではどのように動いたか、わかりづらいので、エレニンの動きがわかる合成画像を用意しました。これです。



エレニンニモマケズ
STEREO-Bが捕らえたエレニン彗星の画像。画像合成 エマ


 STEREO_Bの画像を調べると、2011年8月15日から9月1日まで、エレニン彗星が写っていました。これらの画像から毎日0時近くの画像18枚を使って、合成したのが上の画像です。

 「合成した」と、一口で言うのは簡単ですが、これがなかなか手間がかかっています。画像から手作業で、エレニンがうつっているところを切りだして、ベースの画像の上に、星の位置を参考にしながら、正確に載せていきます。また、明るさがまちまちなので、その都度明るさを調整しています。


 次に、いつものように「ステラナビゲータ」で地球からのエレニン彗星の見え方を調べましょう。XとYの座標で計算結果が出てきます。それをプロットするとできあがりです。さあ、これです。 

エレニンニモマケズ


「ステラナビゲータ」で計算した地球から見たエレニン彗星の位置。


 さあ、これらを見比べてみましょう。答えは当然、一緒になっています、ですよね。

あれ?う、うーん、何か違うぞ!!


 違っているぞ、

(゚Д゚) ナンジャコリャ-


 ~種明かし~



 はい、ごめんなさいね。ちょっといたずらをしてみました。

 これまで、私のブログをずっと読み通していただいている、ほかにやることがない暇な人根気強いといえば聞こえはよいが、どうでもよいことに熱中してしまう人、熱心な読者の方であれば、もうかなり疑り深くなっている科学的懐疑主義 なものの考え方を身につけているはずなので、なぜ一致しないのか、このからくりに気づかれているかと思います。

 そうです、上の画像は、STEREO-Bから撮ったもの、下の予想図は、地球から見たものと、違う「場所」から見ているのです。動きが合っていなくて当たり前です。

 上の文章で、私は、STEREO-Bは、「地球と『同じ軌道』をまわっている」と書きましたが、「地球と同じところにいる」とは、書いていないのですよ。実は、だいぶ離れたところにあるのです。
 ここは、引っ掛けをねらったところだったのですが、どうでした?うまく引っかかってくれました?


 では、STEREO-Bから見た、エレニン彗星の動きはどうなっているか、ちゃーんと計算したものがありますので、お見せします。(この図を作るのも大変でしたが、それは後で書きます。)



エレニンニモマケズ
STEREO-Bから見た、エレニン彗星の位置



これと、実際に撮影した画像を重ねて、比べてみましょう。



エレニンニモマケズ


 どうです。予測と撮影画像が非常によく一致しているということが、おわかりになったかと思います。

つまり、「予想通りの動きで、不思議な動きをしているわけではない」と言えます


 じゃあ、どうして「急カーブ」しているかのように見えるの?という疑問につきましては、この後に書くと長くなりますので、次の記事で説明しましょう。


つづく



※皆様のご感想、ご意見をお寄せください。そのときは、コメント欄からお願いします。(私の承認後に表示されます)



  アフィリエイトがまだになっていましたね。

 今回、天然あっこさんへの返事のコメントを書いていて、あらためて、「他人に本当に伝わる文章(記事)とは何か?」と考えなおしていました。そんなとき、見つけたのが、この本。ご紹介しますね。

いますぐ書け、の文章法 (ちくま新書)/堀井 憲一郎
Amazon.co.jp

 ブログやツィッターなど、個人が自分の意見・主張を、全世界に気軽に発信できる世の中になってきているけど、本当に伝わる文章になっているのか?作者の独りよがりになっていないか?それよりも、伝わる/伝わらない以前の話として、最後まで読んでもらえる記事になっているのか?

 筆者、堀井さんは、それに対し、NO!!と言っています。あからさまには書いてないけど、彼の意見は、大部分のものは、そんなことお構いなしの記事ばかりだと暗にいっています。

 そして、少なくとも、読んでもらえるためには、こう、こうするんだと週刊誌の記事作成で鍛えられた、実践的な手法、考えを明かしてくれています。

 私も、このようなエレニンの一連の記事を書き出して、なんとなく堀井さんの言うようなことには、うすうす気づいていたのですが、この本を読んで、後ろ盾を持ったような気持ちです。

 人に伝える文章(記事)が、なぜかうまくいっていないな~と思う人は読むべきです。

 しかし、文章(記事)を書くことは、なんと逆説に満ち溢れていることか。

 曰く

 「文章で自己表現はできない。」

 「書き出して、当初の予定からはずれ、暴走する文章こそがおもしろい」

 「ある特定の個人を読者と想定して書かれた文章こそが、万人に受け入れられる」

 「万全の用意、時間の中で書かれた文章はおもしろくない。」

 「名文 = 伝わる文章 ではない」

 などなど。

 こういった逆説を並べて見ると、文章というか文字というか、それを書き出す人の行為、その中には、もっと奥深い「何か」があるのでしょう。

 もっとも、ブログやツィッターの目的が、「人に何かを伝える」ものだけではなく、なんとなく、まったりと、だべっているコミュニティーをつくりたいというのもありますので、それはそれで、気にしなくて好きなように書いていれば、良いのです。

このページの修正履歴

2011/11/12 新規作成

2011/11/14  追加

2011/11/15 ちょっと修正

2011/12/11 アフィリエイトを追加



質問:「大変です!!地球の軌道上に直径16キロの球状のUFOが止まっているそうです。太陽の横に見えています。もしかしたら、惑星ネビル?」


回答:「最初の記事で話したでしょう。明るい天体を撮る時は、ゴーストが写りやすいって(笑)。2度目の話になりますので、今回は「実測」をして見ましょう。」


以前に書いたレンズのゴースト(フレア)の記事はこちらをご覧ください
 また「ゴースト」とか「フレア」と言われてピンとこない人も、まずこの記事をご覧ください。

日中、エレニン彗星は太陽のそばに見えますか?

説明:



 問題の動画はこれですね。

「LARGE ORB UFO or SPHERE NEAR SUN Spencer Butte, Eugene, Oregon October 22, 2011」



エレニン ニモ マケズ-Youtube UFO?

http://youtu.be/4vpHp1bm9Qs ←こちらの動画は削除されていました。
http://youtu.be/EbFNx6rgvkc  ←こちらのから見てください(2012/2/22)


 エレニン彗星に限らず、ゴーストが写真や動画に写って、(一部の人が)大騒ぎ(?)する例が後をたちませんね。今回はそんなゴーストを見破る方法として、「実測」をやってみましょう。


原理:
 ゴーストは、画面中央を対称として、明るい天体の反対側に写ります。逆に、明るい天体とゴーストの中間点は、画像中央になります。これでゴーストかそうでないかは、「だいたい」わかります。
 ただ、正確に求めようとすると、ちょっとやっかいです。なぜなら、光学系(レンズ)によって「画面中央」が画像のどの位置(XY座標)になるか変わってくるからです。
 この問題も、明るい天体とゴーストをわざと写しこんで、測る方法で解決します。

 しかし、今回は撮影に使用したレンズが手元にありません。どうしましょうか?

 ここは発想を変えて、天体の位置が違う複数枚の画像から、中間点を求めることにします。もしゴーストでしたら、それらの中間点は、同じ座標になるはずです。これにより、ゴーストかそうでないか見極めができます。


(今回やった)方法:
 1)問題の動画を、フルスクリーン拡大で画面いっぱいに表示する。
 2)適当な時刻の画像を、キャプチャーする。
 3)キャプチャーした画像から、謎の物体の中心座標と、太陽の中心座標を読みとる。
 4) 2つの中心座標の中間点の値を求める(足して2で割る)
 5) 複数枚の画像で、4)の結果を比較する。
 6) 比較して一致していたら、ゴースト(バンザーイ)。そうでなかったら、頭をかかえて悩みこむ。(うーん)


注意:
 比較する画像は、同じ拡大率で撮影した画像どおしを使うこと。ズーム倍率が変わると、「画面中央」の位置が変わる場合があるので、比較できない。


結果:
 問題の動画は、ズームを3段階に変えて撮影されていました。同じズーム倍率では、ほとんど動きがなかったのですが、なんとか2枚選んで、実測してみました。
 結果は以下の表のとおりになりました。


エレニン ニモ マケズ-表UFO



 画像にかきこんでみました。これでイメージがつかめるかと思います。


エレニン ニモ マケズ-005s


エレニン ニモ マケズ-013s

 謎の物体と、太陽は違った位置にあるのに、中心座標はほぼ、誤差の範囲内で、同じところにあります。


 よって、この謎の物体を、太陽のゴーストと結論づけます。


 尚、これが何か球体状の物体とした場合でも、陰影のつき方が太陽の向きからずれてついています。なので、ゴーストを知らなくても、これおかしいじゃん、とわかりそうです。

 もっとも、この動画が、はじめから合成されたものという可能性もあります。そのときは、「ゴーストに見えるように作成された合成映像」ということで、作者はなかなか手の込んだ事をやっていることになります。人づきあいの悪い私ですが、このくらい、オタッキー、職人的な人なら友達になってみたいものです。(本当はイヤです)


考察:
 今回、詳細に書きませんでしたが、ズーム倍率を変えると「画面中央」の座標が変化していることがわかりました。光学系の「くせ」ですね。これより、どのような光学系を使用しているか割り出すことができるかもしれません。詳しい人いらっしゃいましたら、教えてください。


追記(10/29):カメラ、レンズの情報は、Youtubeのコメント欄に記載されていました。


 ・・・ということで、MOMOさんが自身のブログ「拾いもの」(http://ameblo.jp/momosuke-1213/entry-11057819282.html )で教えてくれた件の回答とします。MOMOさん、KATYAMさん、いかがでしたでしょうか?
 やり方はしっかり教えましたので、次回からはこちらに振らずに、自分達で検証してくださいね。
 それから、MOMOさん、これを「水星」だと言うのは、あまりにも星のことを知らなさすぎます。(ひょっとして、わざと言っています?)ネットばかりやっていないで、実際の星を見ましょう!!(星の本を読んでもいいです)


 おしまい



追加:(2013/3/7):


上で書いた、天体とゴーストの中間点を求める方法で、もうひとつ「演習」をやってみましょう。

 題材はこれです!!

 

エレニンニモマケズ-Huge Fireball Over Japan - 1 Day Before Asteroid
「Huge Fireball Over Japan - 1 Day Before Asteroid 2012 DA14's Close Approach 」

 2013年2月14日未明に、関東地方6か所で撮影された、火球の動画(集)です。高感度ビデオカメラで非常によく撮影できています。タイトルにある、「小惑星2012DA14の接近の1日前」というのは、この動画をどこからか持ってきてアップロードした人がつけた、思わせぶりなもので、もちろんこの火球は、2012DA14とは関係ありません。

 問題の箇所は、17秒から21秒にかけての部分です。上の画像のとおり、派手なゴースト(フレア)が生じて見えています。

 さてご多聞にもれず、これをまた、「UFOだ!」と騒いでいる人がいるわけで、そのようなものをここでひとつリンク貼っておきます。


・「2/14 東京にも隕石ミサイルが!?

  (遠隔霊視と宇宙のネットワーク

 

 それでは、火球とゴーストの中間点を求めてみましょう!!といっても、火球が非常に明るくてその中心がどこかはっきりしません。そこで、火球の中心をえいやで求め、ゴーストとの中間点を求めました。そして解析した画像すべてで、この中間点が同じになるように調整しました。いろいろ試行したところ、中間点の座標は(322,189)付近になるようです。
 そのようにして、上の例と同じようにしてゴースト、中間点、火球の先と引っ張った線を画像に書き入れました。

 解析には、ほぼ0.4秒におきにキャプチャーした4枚の画像を用いました。

これら4枚の画像をみて、線の先は火球の中心に突き刺さっていることを確認してください。


エレニンニモマケズ-解析画像1
ゴースト出現時。火球が明るくなってゴーストが出現する。

エレニンニモマケズ-解析画像2
0.4秒後。さらに明るくなる。

エレニンニモマケズ-解析画像3
もっと明るくなる。

エレニンニモマケズ-解析画像4
最後はドッカーンと音はしないけど、明るくなる。
ゴーストがもう一度反射されてか、左上にもうひとつゴーストが見えている。

以上のように、ゴーストと火球は中間点をはさんで対象の位置にあることがわかりました。これで解析はおわりです。

 これら動画は、高感度CCDカメラとUFOキャプチャーという、画像をキャプチャーするソフトウェアのシステムで撮影されたものです。現在、日本の幾人かのアマチュア天文家の人たちが協力しあって、このシステムで、流星、火球観測のネットワークをつくっています。

 今回の火球もすでに詳細な解析がすすんでいます。こちらからどうぞ。

2013年2月14日1時4分35秒のー9等の低速爆発分裂火球

 

当然のことながら、学術的な分析です。

 先に、あげた「UFOだ!」と騒いでいる人たちは、人様の動画を自分の都合のよいように取り上げて、撮影・解析をされた方に失礼ではないか、と思います。だいたい他の動画を見れば、「UFO」は映っていないことに気がつくはずなのに・・・と思って 2/14 東京にも隕石ミサイルが!? 」読んでみると・・・・

 「細かく動画を分析してみると、他の動画には同じようなのは出ていないし、こりゃレンズフレアかなぁ?とも思いましたが、(後略)

 と「他の動画にない」「レンズフレア」にも言及して書いてあるではありませんか。なんだぁ、この人、知っていて書いてる。えっ、ということは、

 この人、UFOだと本気で信じているんだぁー

いやいや、実はこれ、

 本気でUFO信じているというふりを見せるためのフェイクだったりして・・・

 謎は深まるばかりです・・・(^^)


余談(2011/10/29追加):


 太陽と太陽のように見える天体の映像を見て、なにか見たことがあるぞー、この既視感は何なんだ、と思っていたら、思い出しました。これです。


エレニン ニモ マケズ-SW4


 「スターウォーズ エピソード4」に登場する、惑星タトゥイーンの夕暮れの風景、いやこれはけっしてゴーストではありません。(合成ですけど)ここの星系は太陽が2つあるのです。


 実は、この場面、私がスターウォーズの中で一番好きな場面です。いや好き、というより、一番共感を覚えるところです。


 この前のシーンで、主人公のルーク・スカイウォーカーは、育ての親である叔父さん夫妻に、「この惑星を出てよその星に行きたい」と、言うんですが、叔父さんは、「ダメだ、お前はここの農場を引き継ぐのだ」と、にべなく反対されてしまいます。そして、上の場面になります。荒涼とした惑星タトゥイーンの風景と、地平線下に沈もうとしている二重太陽。


 叔父さんに反対されて、気落ちしたルークが歩いていく。そこへ、流れる物悲しいメロディ、

 ♪ターラーラーラー、ターラーラッラッラ、ラララーラー

「こんな、こんな星で、僕は、一生を過ごしていくのか・・・」と、ルークの心情が聞こえてくるようです。

 これを観た私は、全くもってして、青年期の悩みというものは、たとえ地球から遠く離れた太陽が2つあるような見知らぬ辺境の星であっても地球と同じで、これは時空を超えて全宇宙共通のものなのだな~と、共感を持って考えたものでした。私も若いころのことです・・・

 

おわり


※皆様のご感想、ご意見をお寄せください。そのときは、コメント欄からお願いします。(私の承認後に表示されます)



 さて、今回のアフィリエイトは?
 最後に「星の本」という言葉がでましたね。

楽しみながら星の勉強ができる本ということで、これにします。


「まんが天文学シリーズ」(作・画:加賀谷穣 監修:山岡 均)


エレニン ニモ マケズ-星空たんけん  第1巻 星世界たんけん


エレニン ニモ マケズ-太陽系たんけん  第2巻 太陽系たんけん


エレニン ニモ マケズ-大宇宙たんけん  第3巻 大宇宙たんけん




 すてきな星空・星座イラスト、ビジュアルで、我々をうっとーりさせてしまうKAGAYA画伯(http://www.kagayastudio.com/index.html )が、まだ貧乏絵描き・加賀谷穣(失礼!!)であった頃に書かれた、「まんが天文学シリーズ」。
 アマゾンや楽天にもなぜか置いていない、知る人ぞ知る名品(名マンガ)です。科学監修(山岡均先生)もしっかりしていますし、なによりKAGAYAさんの画がすばらしいです。MOMOさんほか、大人の人にもお勧めです。もちろんお子さんにも。
アストロアーツのオンラインショップからどうぞ。
http://www.astroarts.co.jp/shop/showcase/bk-manga-astro/index-j.shtml



このページの修正履歴

2011/10/27 新規作成

2011/10/29  「余談」を追加。細かい部分を修正。
2012/ 2/22  
LARGE ORB UFO or SPHERE NEAR SUN のリンク先を変更。以前のは削除されていました。

質問:「『3.11東日本大震災はエレニン彗星が起こしたのですか?(1)~(5)』を、何回も読みましたが、さっぱりわかりません。やっぱり私の頭が悪いからなのでしょうか?」


回答:「あなたのせいではありません。私の説明がへたくそなだけです。」



~謝罪~


エマ:
 ということで、非が自分にあると感じたら、とにかく謝っておきましょう。せーのー


エマ、台長、警部:
 せつめいがー、へたくそでー、どうもー、すみませんでしたー


エマ:
 さあ、「お詫び」もすんだし、今回の説明にはいりましょう。


台長:
 え、もうはいるんですか


エマ:

 その前に、作戦会議をしましょうかね。

~作戦会議と方針転換~

エマ:
 前の一連の記事は、「直列」と地震が関連がないことを統計的に検証しようという話でした。

台長:
 はい、そして次は、それを物理的に話そうとされているのですね。

エマ:
 そうです。どちらも、数学とは切って切れないことになります。

警部:
 やっぱ、数字を持ち出すのは、読者に難しかったのではないでしょうかね?このままでは、次の物理の話もきっと敬遠されてしまいますよ。

台長:
 科学は、物事を定量的に扱ってなんぼの世界ですからね~どうしてもそういう具合になってしまうのですよ。

警部:
 あーあー、もっと簡単に納得してもらう方法は、ないのかな~。もっと大勢の人に、エレニン彗星と地震は、全く無関係とわかってもらいたいのに。

 はっきりいって、今の日本は、大きな問題を抱え込みすぎていて、こんな余計なことにかまっているヒマはないのですよ。少しでも、国民の不安を取り除いてやりたいのですが・・・

エマ:
 ああ「日本」「国民」ときましたか。大上段に、ふりかぶっていますね。

 自分は、いきなり「日本」「国民」って考えきれないんですよね~。
 私はまず「家族」「地域」などの身近なところへの親しみや愛があって、その延長に、「日本」「同胞」への思いが生じると考えています。しかし、まだそこまで、思いを馳せることはできません。まぁ、そのくらいの器なんでしょうが・・・

警部:
 何言っているんですか! エマさん。今は、大げさに言えば、「国家存亡の危機」なんですよ!


エマ:
 また、大げさに言う・・・


警部:
 だから、大げさに言っているのです。


台長:
 まあまあ、おふたりさん。ここでケンカをしても、いたずらに行数を費やすだけです。つまらないことは、やめましょう。
 エマさん、なにかみんなに、「感覚的」にわかるっていう方法はないでしょうか?


エマ:
 わかりました。方針を変えましょう。これまで、なるべく、筋道たてた「考え方」をわかってもらおうと、順を追って書いてきましたが・・・それは、いったんやめます。そして、「感覚的」「一目」でわかる方法を説明しましょう。


警部:
 え、そんなの、あるんですか!


エマ:
 実はこの方法は、物理の説明の最後で、「サプライズ」で登場させようと思っていて、すでに話の構成に組み込んでいたのですが、しょうがない。先に出しましょう。そのかわり、物理の説明の話は、再構成するので、延期になりますよ。


警部:
 大丈夫、大丈夫、物理の話は、誰も期待していないから


台長:
 えーそんな、あの美しい数式は~


エマ:
 台長さん、無期延期ってことは(たぶん)ないでしょうから。そのうち書きますよ。安心してください。

 それでは、始めますよ、用意はいいですか


台長、警部:
 はーい。


~説明~


エマ:
 また、前に使った、太陽系の図をだします。
 太陽、地球、エレニン彗星を書いています。これは、2011年3月11日の図です。
ちなみに、10月現在、エレニン彗星は、核が分裂してしまって、彗星としての活動は
完全に止まっています。なにかしらの残骸は残っているはずですが、まあ見るのは難しいでしょう。


エレニン ニモ マケズ-図4


台長:

 そして、彗星による地震を心配する人は、エレニン彗星からの引力で、地球に地震が起きると思っているわけです。彼らは、まだエレニン彗星があると思っています。


エマ:

 別に彗星が健在でも、今回の説明には関係ないです。それから正確には、「引力」ではないのですけど、まあ、ここではいいです。確かに彗星からの影響はあります。


警部:
 え、やっぱりあるのですか?

エマ:
 わずかばかりですけど、あります。それがものすごく小さいことも検証できますが、ここでは、数学の話はしない約束なので、「影響はある」とだけ言っておきます。

 さて、ほかに引力で、地球に影響を与える星はないでしょうか?

警部:
 これなら、私にもわかります。惑星があります。水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星ですね。冥王星が惑星でなくなったのは、残念ですけど。

エマ:
 そのとおり、実は、地球の衛星、月が一番影響あるのですが、今回ははずしておきます。月のことは、次回以降で詳しく説明しますからね。

台長:
 とすると、これら惑星もなにがしか、地球に影響を与えているわけですね。そういえば、1980年代に、「惑星直列」っていって、今回と同じような騒動がありましたね。そのときも結局何もおきなかったのですが。

エマ:
 ええ、1980年当時は、インターネットがなかったので、情報の伝播はもっぱら、マスメディアが主でした。ある意味、出すほうも受けるほうも、情報の管理や追跡がしやすかったともいえます。今となっては、情報の扱いが単純な世界でしたね。

 エレニン彗星の影響があるならば、当然、惑星からの影響もあるはずで、そういったものも含めて考えなければいけません。


 はい、惑星を追加した図を載せますよ。


エレニン ニモ マケズ-図5


警部:
 だいぶ、にぎやかになってきましたね。・・・エマさん、あなたいったい、何を言おうとしているのですか?

エマ:
 ほかに、地球に影響を与える星はありますか?

台長:
 彗星があります。世の中、エレニン彗星ばかり騒いでいますが、宵の空には、ギャラッド彗星(C/2009P1)が、また明け方には、本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(45P)が見えています。

エマ:
 そのとおりです。彗星をいれた図は今回は、省略します。
今見えている彗星については、吉田誠一さんのWEBページが詳しいです。

興味がある方はどうぞこちらへ

  「今週の明るい彗星(北半球版)」 (http://www.aerith.net/comet/weekly/current-j.html

 エレニン彗星が地球に影響を及ぼすというならば、当然これらの彗星の影響もあってしかるべきで、それらについても考えなければいけません。

他には・・・・

警部:
 他にはって、まだ、ほかにあるの・・・・?

台長:
 わかりましたよ、エマさん。小惑星があるんですね。

エマ:
 そのとおりですよ。台長さんはもうご存知なので、警部さんに説明しますね。小惑星という小さな天体が、太陽系にあるのは、ご存知ですよね。

警部:
 ええ、そのくらい知っていますよ。発見者が好きな名前をつけてよいんですよね。確か、「アンパンマン」とか「仮面ライダー」とか「藤岡(弘)」とか「庵野秀明」とか、あるんですよね。

エマ:
 えらく、マニアックなものばかり言いますね(笑)。ちなみに、いまのは全部、前の記事で名前を出した。久万高原天文台の中村彰正さんが発見したものです。小惑星はおもに、木星と火星の間の軌道をまわっていますが、中には地球軌道の近くをまわっているものもあります。
 さて、警部さん、このような小惑星はいったいいくつくらい見つかっていると思います?台長さんは、だまっていてね。

警部:
 ええと、100個、200個ではすまされないよなきっと、1000個、いやここは、すごく多めに見積もって、5000個と言っておこうか。5000個ぐらいではないですか?

エマ:
 ブー、まぁ普通の人にしては考えられたほうですが、全然桁が違います。軌道がほぼ確定している小惑星で、約53万個です。今後の観測でさらに増えるでしょう。


警部:
 そんなに!!

エマ:
 エレニン彗星が地球に影響を及ぼすというならば、当然、これら53万個の小惑星の影響も考えなければいけないでしょう。あなた、53万個の天体の影響を、「予言」できますか?

警部:

  ・・・・

エマ:

 いきなり大きな数字をだしたので、ピンとこないと思います。今度は、小惑星を記入した図を用意しました。

ただし、「ステラナビゲータ」で用意されているのは、約1万個なので、それだけを全部表示しています。本当は、これの53倍分です。



エレニン ニモ マケズ-図6


 前にも説明したように、火星ー木星軌道の間にたくさんひしめき合っています。中には、地球の軌道の近くを回っていて、地球に近づくものもあります。


警部:
 たくさんありすぎです。エレニン彗星が小惑星に埋もれてしまったではないですか。

エレニン彗星は、軌道の線が書いてあるから、どこにあるか、なんとなく推測できるけど、これがなかったら、もう全然わかりませんね

 エマさん、今思ったのですが、エレニン彗星のほうが、小惑星よりずっと大きかったりしませんか?


台長:

 それは、私に説明させてください。

 確かに、彗星のコマや、尾はそれぞれ、何十万kmとか何億kmまで大きくなりますが、それらはガスやチリの非常に薄いものです。「引力」の元になる質量のほとんどは、彗星の「核」にあります。核の大きさは1km~10kmぐらいの大きさしかありません。エレニン彗星は、確か直径3km~5kmと見積もられていたと思います。


警部:

 一方小惑星は・・・


台長:

 一番大きいセレスは直径970km。直径100kmオーバーは、200個以上はあります。もちろん小さい小惑星もあるが、どんなに少なく見積もっても半分ぐらいは、エレニン彗星の核より大きいのでしょう。


警部:

 なんだか、頭がくらくらしてきたぞ。そうすると、前回の記事中で、エレニン彗星との「直列」の頻度をだしたが、同様に小惑星との「直列」を計算すると・・・・


台長:

 ええ、もうとても計算できる量ではなくなっているのですが、頻度は計算できます。エレニン彗星よりも大きい小惑星を半分の26.5万個として計算すると、「直列」60秒に1回おきていることになります。もう、こんな数字なんて意味がないものになっていますが・・・


警部:

 エレニン彗星だけ、なにか知られていない特別の力があって、「地震」を引き起こす、と考えたら・・・


台長:

 警部さん、わかって言っていると思いますけど、一応私からも言いますね。

 フーテンの寅さんではないけど、「それを言つちゃあ、おしめえよ」です。本当にそんなことを言い出したら、それこそ何でも「あり」の世界になってしまいます。

 例えば、「私が屁をふったから、地震が起きた」とか、「飼っている犬が下痢をしたから、地震が起きた!!」と主張するのとなんら変わりませんよ。(汚い例ですみません)

  

エマ:

 ちょっと話を整理しましょう。

 もし、エレニン彗星が大地震を引き起こしているとするなら、当然、これら、26.5万個の小惑星も大地震をひきおこしていることになります。しかし、現実には、そんなに沢山の地震がひっきりなしにおきているわけではない。つまり・・・

警部:

 つまり・・・、「エレニン彗星は、地震を引き起こさない」ですね。


エマ:

 そのとおり。やれやれ、今回もなんとか終わりました。読者のみなさん、納得してもらえたでしょうか?

台長:

 みんな、エマ先生にはげましのためのお便りを出そう!! 送り先は・・・

エマ:

 そんなことより、コメントに一言かいてもらったら済む話です。本当にコメント、お待ちしていまーす。

警部:

 エマさん、ちょっとお聞きしたいのですが。


エマ:

 何ですか?


警部:

 上の図で、小惑星がたくさん太陽系にあるのはわかったのですが、どんなに動いているのか

イメージがつかないのですが・・・やっぱり太陽の周りを回っているのですよね?


エマ:

 それなら、私が口で説明するより、映像を見てもらったほうがよいでしょう。

私が、YouTubeにアップした映像があります。これも「ステラナビゲータ」でつくったものです。

どうぞ、ご覧ください。

エレニン ニモ マケズ-小惑星の運動
「小惑星の動き20111017」

       http://youtu.be/qV9C1KS4ONw

エマ:

 どうです?


警部:

 すばらしいー


台長:

 我々が思いもよらなかった、新しい太陽系の姿がイメージできるね。


エマ:

 ほめてもらって、ありがとうございます。


警部:

 でもね、


エマ:

 え、なにか?


警部:

 かかっている音楽、これひどいね~、何これ?


台長:

 あ、それ私も思いました。これなら、何も付けないほうが、まだいいね。


エマ:

 あのー・・・それ・・・わたしの・・・自分でつくって・・・自分で弾いた曲なんですけど~。つくったのは20年ほど前ですが・・・


台長、警部

 えー、何、それ!!!


エマ:

 最初、音楽を探していたのですが、YouTubeの投稿の注意書き

重要: 自分自身で作成した完全なオリジナル コンテンツでない限り、テレビ番組、ミュージック ビデオ、コンサート、CM を許可なくアップロードしないでください。

をみて方針を変えたんですよ。オリジナルな曲なら問題ないだろうと・・・


台長:

 いや、君、それでもさ、ほかにやり方はあったでしょう。


エマ:

 曲のタイトルもつけていたのですよ!!

 「星々のささやき」と、


台長:

 青っ!!


警部:

 くさっ!!


エマ:

 そんなに言わなくてもいいじゃないですか、20年前ですよ。確かに私は、青くさかったです。

あっ、どこへ行くんですか?

台長:

 上のを聞いてしまったからには、もう、仕事なんか、やっていられませんよ。

帰ります、帰ります。


警部

 私も帰ろうかしらん


台長:

 警部、いっぱい飲みに行きましょうか?

あ、うちの副台長に飲んべえの者がいますから、彼も誘っていきましょう。


(台長、警部、去っていき、エマだけが取りのこされる)


エマ:

 おーい、みんなー、確かに青かったですけどね、今でも青いと言われますけどね・・・


(幕、下りる)


おしまい


※皆様のご感想、ご意見をお寄せください。そのときは、コメント欄からお願いします。(私の承認後に表示されます)


そして、今回のアフィリエイトは・・・

男はつらいよ 49巻セット+特典ディスク2枚付 [DVD]

Amazon.co.jp


警部:

 これ、あれですか?

「それを言つちゃあ、おしめえよ」から持ってきたのですか?


エマ:

 いや、そうではなくて。「男はつらいよ」は、私にとって、古きよき「昭和」の最後を語る作品、というイメージなのです。実際は、平成7年までつくられていますけどね。


警部:

 それで・・・


エマ:

 いわば、「昭和の香り」ですよ

または、「昭和のにおい」ですよ

「昭和くささ」と言ってもよいです。

いいですか、

 「昭和くささ」

 「昭和くせい」

 「しょうわくせい」

 「小惑星」

ほら、見事、今回の話のネタ「小惑星」にたどり着いたでしょう!!


警部:

 ギャフン!!


エマ:

 あ、それも、「昭和くせい」


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 2011/10/18 新規作成