私は歌が好きだ
子供の頃から大好きだった
家に父のカラオケのセットがあり、当時はカセットテープが主だったので
小遣いをためてホームセンターに行き、ワクワクしながらカラオケテープを手に帰った。
父の目を盗んで、住んでいた団地の一室をステージにし、明菜ちゃんや渡辺美里さん、聖子ちゃんも歌ったなー。
現代のカラオケBOXがあったら、小学生のうちから常連になること間違いなしだったでしょう。
私は洋楽も好きで、当時BON JOVIは私のスーパースターだった。
でも歌でリスペクトしていたのは、レベッカのNOKKOさんでした。
彼女の声を聞いた時、まだ中坊だった私は歌いたくて歌いたくてたまらなくなったのを覚えている。
高校生になり、私は友達の組んだバンドに無理やりキーボードとして加入したけれど、
歌を聞いた仲間がヴォーカルに向いている、と言ってヴォーカルになりました。
当時はバンドブームで、高校生のバンドはたくさんいて、ライブをたくさんやっていた。
プリプリのコピーバンドだったけど、ライブハウスのステージで歌うのが楽しくた仕方なかった。
勉強そっちのけで、ライブの衣装を考えたり、歌がどうやったら上手くなるか、そんなことばかり考えていた。
当時、私は家庭環境が悪く、アルバイトして高校の学費を払っていた。
家に居場所がなくて色々辛いこともあったけど、バンドを組んでいたからこそ、学校を辞めないで卒業できたのかもしれない。
3年生になり、皆が就職活動をはじめ、将来を考え出す頃、私は歌のプロになりたいと思った。
だから就職活動をしなかった。
そうしたら高校の担任に「まさか、お前、歌を仕事にしたいなんていうんじゃないだろうな」と言われた。
そして「就職させてやってもいいよ」とせせら笑われた。
今はいい時代だと思う。
今の世の中は私たちが若い時より、「夢を見る、実現する」という道が広くなったような気がする。
私の周りにはいい会社に就職したりとか、そこそこ遊んで結婚したりとか、そういう人が多くて
私も引っ張られたのかもしれない。
私は卒業して、フリーターで働きながら、何度かバンドは組んだけど、
何かに疲れていたのか結婚し、結婚したら音楽ができなくなり、
色々考えすぎてメンタルな病気になり、離婚している。
あの時、プロになりたい!と押し通していたら、今の人生は変わっただろうか?
プロになれなくても、アイデンティティーは守れたのかもしれない。
50代になった今も、歌を歌ったり、バンド組みたいと思っている。
私は結婚している時、金銭的にも困っていなかったし、働かなくてもご飯が食べられたし、
恵まれていたと思う。
だけど多分、アイデンティティーがなかった。
自分をがんじがらめにし、何かに縛られていた。
生活の安定と当時の夫に依存していたと思う。
ある意味、幸せだったけど、幸せではなかった気がする。
今、私の中の生き方の軸がなんだかすごく変わってきているのを感じる。
もう中年を過ぎた私は、これからどうなるのだろう。
いつも一人を感じていた私に仲間はできるのだろうか?
ちゃんと生きていけるの?
神様、もう一度、歌えますか?