§新たな在留管理制度の概要

新たな在留管理制度は、これまで入管法に基づいて行っていた情報の把握と、外国人登録法に基づいて行っていた情報の把握を基本的に一つにまとめて、法務大臣が在留管理に必要な情報を継続的に把握する制度の構築を図ろうとするものです。


我が国に中長期間,適法に在留する外国人が対象となり,在留カードが交付されるほか,届出手続などが変わります。


新制度の導入により在留管理に必要 な情報をこれまで以上に正確に把握できるようになりますので,在留期間の上限をこれまでの3年から最長5年とすることや,1年以内に再入国する場合の再入 国許可手続を原則として不要とするみなし再入国許可制度の導入など適法に在留する外国人の方々に対し更に利便性の向上を図ることが可能になります。


なお,新たな在留管理制度の導入に伴って外国人登録制度は廃止されることになります。

§対象者

 新たな在留管理制度の対象となるのは,入管法上の在留資格をもって適法に我が国に中長期間在留する外国人で,具体的には次の方々以外の方々です。

  1. 3月以下の在留期間が決定された方
  2. 短期滞在の在留資格が決定された方
  3. 外交又は公用の在留資格が決定された方
  4. これらの外国人に準じたものとして法務省令で定める方
  5. 特別永住者の方
  6. 在留資格を有しない方

§在留カード

 新たな在留管理制度の導入に伴い交付される在留カードは,対象となる方に対し,上陸許可や在留資格の変更許可,在留期間の更新許可等の在留に係る許 可に伴って交付されるものです。在留カードには,写真が表示されるほか,次の事項が記載されます。また,偽変造防止のためICチップが搭載され,券面記載 事項の全部又は一部が記録されます。

  1. 氏名,生年月日,性別及び国籍の属する国又は入管法第2条第5号ロに規定する地域
  2. 住居地(本邦における主たる住居の所在地)
  3. 在留資格,在留期間及び在留期間の満了の日
  4. 許可の種類及び年月日
  5. 在留カードの番号,交付年月日及び有効期間の満了の日
  6. 就労制限の有無
  7. 資格外活動許可を受けているときはその旨

§メリット

※在留期間の上限が伸長されます。

現在「3年」の在留期間を定めている在留資 格について,「5年」の在留期間を法務省令で定める予定です。また,「留学」の在留資格については,本年7月1日より,在留期間の最長期間が「2年3月」 となっておりますが,新たな在留管理制度の導入により,新たに「4年3月」とする予定です。

※再入国許可制度を見直します。

有効な旅券及び在留カードを所持する外国人の方で出国後1年以内に再入国する場合には,原則として再入国許可を受ける必要はなくなります。なお,この制度の対象とならない方については,別途省令で定めることとなります。また,再入国許可を受ける場合の再入国許可の有効期間の上限について,これまでの「3年」から「5年」に伸長されます。
(※)新たな在留管理制度の開始に併せて実施されます。

§注意

 新たな在留管理制度の導入に伴い,以下のような在留資格の取消し事由,退去強制事由,罰則が設けられています。

※在留資格の取消し事由(入管法第22条の4第1項)

  1. 偽りその他不正の手段により在留特別許可を受けたこと(第5号)
  2. 配偶者の身分を有する者としての活動を継続して6月以上行わないで在留すること(当該活動を行わないで在留していることにつき正当な理由がある場合を除く。)(第7号)
  3. 新規上陸後又は従来の住居地を退去した後90日以内に,住居地の届出をしないこと(届出をしないことにつき正当な理由がある場合を除く。)や虚偽の住居地の届出をしたこと(第8号~第10号)

※退去強制事由(入管法第24条)

  1. 在留カードの偽変造等の行為(第3号の5)
  2. 中長期在留者の各種届出等に関する虚偽届出等や在留カードの受領・提示義務違反により懲役以上の刑に処せられたこと(第4号の4)

※罰則

  1. 中長期在留者の各種届出等に関し,虚偽届出等や届出等義務違反,在留カードの受領・携帯・提示義務違反(入管法第71条の2,第71条の3)
  2. 不法就労助長罪の見直し(入管法第73条の2第2項)
  3. 在留カードの偽変造等の行為に係る罰則(入管法第73条の3~第73条の6)


新たな在留管理制度は、平成24年7月9日から施行されます。


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※新たな在留管理制度について、新たな内容のサイトが開設されました