性暴力被害と裁判員制度についての転載です。



被害者のプライバシーがもれたり、それを恐れて被害届をださなかったり告訴しなかったとしたら、一体何のための制度なのでしょうか・・・。



裁判員制度、司法への関心を高めるのはよいことかもしれませんが、もっと慎重に準備を重ねるべきだったと思っています。

人の人生を変える出来事を見切り発車って、ナメてますねぇ。


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性犯罪被害者名も裁判員候補に開示、情報流出懸念の声
特集 裁判員制度
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20090506-OYS1T00229.htm

 21日に始まる裁判員制度で、強盗強姦など制度の対象となる性犯罪事件を巡り、裁判所が被害者保護と裁判員選任手続きの両立に頭を悩ませている。


裁判員は事件と無関係でなければならず、数十人から約100人の候補者に被害者の氏名などを伝えることになる。選任されなかったほとんどの人は、裁判員法が定める守秘義務を負う必要がない。


被害の経験者からは「制度が始まると、ますます被害を訴えにくくなる」との声も上がっている。


性犯罪のうち裁判員制度対象の重大事件は強姦致死傷、強盗強姦、強制わいせつ致死傷、集団強姦致死傷事件。2008年の全国の対象事件2324件のうち約2割を占める。


被害者のほとんどが、被害を他人に知られたくないと強く願っている。そこで刑事訴訟法は被害者の申し出があれば、氏名や住所などを法廷で伏せるよう定めている。


ところが裁判員の選任手続きでは、候補者に事件との関係の有無を確認する。
そのため被害者の氏名や事件の概要を知らせることは避けられないという。また裁判員に課せられる守秘義務も候補者には及ばず、情報を他人に教えても罰せられることはない。



最高裁も「情報流出による二次被害の恐れが考えられる」と懸念するが、対策の指針は示さない予定で、最終的には各地裁で対応を判断することになりそうだという。


全国の都道府県の中でも性犯罪の発生率が高い福岡県。福岡地裁が08年に受理した裁判員制度対象の性犯罪事件は30件で、全体(156件)の19・2%だ。


同地裁の関係者は、被害者情報が流出した場合「候補者に対し、被害者が損害賠償を請求するという手段は考えられる」と話す。


一方で「忙しい中、選任手続きに来た人たちに『情報を外部に明かせば訴えられる』なんて言うのは失礼かもしれない。最終的には誠心誠意お願いするしかない」と苦しい胸の内を明かす。


性犯罪の被害に遭った体験を昨年本にした東京都の小林美佳さん(33)は「被害を届け出ない女性は今でも多いのに、対策もないまま制度が始まるなんてと憤る。


性犯罪のうち、被害者がけがを負ったりPTSD(心的外傷後ストレス障害)などにかかったりする「致傷」事件になると、裁判員裁判の対象になる。「そうなることを嫌がる被害者が、心や体の傷を負っても申告しない事態が起きる恐れもある。重罰を求める気持ちが強くても、かなわなくなる」と小林さんは心配する。
200956 読売新聞)


------------「元警官婦女暴行致傷事件 裁判員制度県内初適用か」@YOMIURI ONLINE 鹿児島
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagoshima/news/20090516-OYT8T00135.htm




 21日に始まる裁判員制度で、鹿児島地検は県警の元警察官が婦女暴行致傷容疑で逮捕された事件の公判が、同制度の適用となる可能性が高いことを明らかにした。


元警察官の拘置満期は22日で、 地検が21日以降に起訴すれば、県内初の適用例となる。


県警などの発表によると、逮捕されたのは鹿児島市中山町、元警察官で自称業務委託業安崎正昭容疑者(42)。3月16日午後9時頃、同市の路上を歩いていた店員女性(22)に抱きついて、空き地に押し倒すなどして乱暴し、腰などに1週間のけがを負わせた疑いで、4月30日に鹿児島南署が逮捕した。


 当初、同容疑者は「身に覚えがない」などと否認していたが、他の複数の女性にも同様の犯行に及んだことを認める供述を始めているという。


 同地検の江藤靖典・次席検事は「捜査状況にもよるが、起訴は21日以降で、裁判員制度適用の県内第1号となる公算が大きい」と話している。

2009516 読売新聞)