毎日新聞
夢かなえて:バンクーバー五輪/1 邦和スポーツランド フィギュア・鈴木明子選手
◇懸命な姿に支えの輪
名古屋市港区の邦和スポーツランド(SL)内にあるスケートリンク。
1月中旬にあったフィギュアスケート女子シングル代表、鈴木明子選手(24)=愛知県豊橋市=の公開練習には報道陣50人が詰めかけた。
アイスショー開催の実績もあるが「これだけ並んだ取材カメラは見たことがない」と関係者は
「アキコ効果」に驚いた。
邦和SLは東邦ガスの子会社・東邦不動産が運営。
鈴木選手の急成長を追うように支援体制を強めている。リンクはもともと冬季のみ営業だったが、
愛知県長久手町の県営リンク閉鎖に伴い、県などから「夏も」との希望があり改装。
02年から通年営業している。
すると、選手が集まるようになった。
06年トリノ五輪前に安藤美姫選手(22)=名古屋市=が一時国内の拠点に。
東北福祉大にいた鈴木選手も練習拠点の仙台市から地元に戻り07年4月、契約社員として邦和SLに入った。
当時は全日本選手権入賞レベル。
東邦不動産の松岡好和スポーツ・セミナー事業部長(58)は
「選手専従というつもりはなかった」と言い、選手活動は貸し靴受け付けなどの業務と両立。
遠征費援助も国内大会のみだった。
今は通常業務から外れ、スケート靴と1大会に3着が必要な衣装費も援助されている。
好成績とともに施設の知名度も上がり、ジュニアのスケート教室の生徒数は400人を超え全国有数の規模。
職員が利用者から「おめでとう」と祝福の声をかけられる。
邦和SL内は今、「アキコ頑張れ」一色だ。
海外遠征からの帰国の度に多くの社員が空港に繰り出し、手作りのボードを持って出迎える。
東邦ガス社員も含め約120人が集まった公開練習後に開かれた壮行会で鈴木選手は
「ここにいる方を含め、お世話になった方の誰か一人が欠けてもここまでこられなかった」
と感謝の言葉を口にした。邦和SLの鬼頭賢次所長(51)は
「業務開始前から練習する懸命さを見ると応援せずにはいられない」。
今月下旬の鈴木選手の大舞台。その周りは熱い思いに満ちている。
◇
12日(日本時間13日)に開幕するバンクーバー冬季五輪。
愛知県勢が日本代表を独占したフィギュアスケート女子3選手をはじめ、
東海3県からも多くの選手が出場する。世界の夢舞台に立つ選手の向こうには、
かなえてあげようと競技活動を支える人、学校、企業がいる。選手と支援側の「熱き戦い」にスポットライトを当てる。=つづく
夢かなえて:バンクーバー五輪/2 中京大学 フィギュア・浅田真央、安藤美姫選手ら
◇改革志向、選手の支えに
寺尾悟、勅使川原郁恵……。
かつてはショートトラックで五輪の上位を占めた選手を輩出した中京大が、
フィギュアスケート選手の相次ぐ入学で一層注目されるようになった。
昨年4月の入学式。長い髪、スーツ姿の浅田真央選手(19)=名古屋市=が、
新入生との写真撮影に気軽に応じ、リラックスした笑顔を見せていた。
中京大が選手獲得に力を入れ始めたのは、安藤美姫選手(22)=名古屋市、4年生=が、
付属の中京大中京高に入学した03年ごろから。
同高からは、小塚崇彦選手(20)=名古屋市、3年生=らも進学。
体育学部長でスケート部長の湯浅景元教授(コーチ学)はフィギュアスケートのジャンプやスケーティングの運動解析を長年研究。
「スポーツではあるが芸術的な要素があり興味がある。うちを選んでくれてうれしい」と話す。
近年、中京大は華々しく冬季競技施設造りを展開している。
浅田選手が本番直前まで使う豊田キャンパスのスケートリンクは3年前に完成し総工費約15億円。
長野県白馬村のスキー場にあるフリースタイルスキー・モーグルの練習用ウオータージャンプ台の改修に協力。
そこで鍛えたスキー部の伊藤みき選手(22)=滋賀県出身、4年生=が日本時間14日、登場する。
有名アスリートの獲得は、大学の特色づくりに一役買っている。
大学は少子化の中、学生確保のため校名変更はもちろん、学部改編や施設充実、
入試方法の変更など生き残りに必死だ。
中京大も00年から、毎年のように学部・学科見直しと、新学部設置に努める。
一般入試の志願者の延べ人数は99年度の1万7000人台が、約10年後の現在は2万人前後に増加。
定員割れの著しい大学がある中、健闘している。
大手予備校関係者は「改革に積極的で広報戦略も上手。フィギュアスケート選手の活躍も影響があると思う。
偏差値についても、少子化で一般的に競争率低下とともに下がる傾向があるが、
中京大は学部によって上がっている」と分析する。
改革に努める大学の力が、五輪選手の支えになっている。
夢かなえて:バンクーバー五輪/1 邦和スポーツランド フィギュア・鈴木明子選手
◇懸命な姿に支えの輪
名古屋市港区の邦和スポーツランド(SL)内にあるスケートリンク。
1月中旬にあったフィギュアスケート女子シングル代表、鈴木明子選手(24)=愛知県豊橋市=の公開練習には報道陣50人が詰めかけた。
アイスショー開催の実績もあるが「これだけ並んだ取材カメラは見たことがない」と関係者は
「アキコ効果」に驚いた。
邦和SLは東邦ガスの子会社・東邦不動産が運営。
鈴木選手の急成長を追うように支援体制を強めている。リンクはもともと冬季のみ営業だったが、
愛知県長久手町の県営リンク閉鎖に伴い、県などから「夏も」との希望があり改装。
02年から通年営業している。
すると、選手が集まるようになった。
06年トリノ五輪前に安藤美姫選手(22)=名古屋市=が一時国内の拠点に。
東北福祉大にいた鈴木選手も練習拠点の仙台市から地元に戻り07年4月、契約社員として邦和SLに入った。
当時は全日本選手権入賞レベル。
東邦不動産の松岡好和スポーツ・セミナー事業部長(58)は
「選手専従というつもりはなかった」と言い、選手活動は貸し靴受け付けなどの業務と両立。
遠征費援助も国内大会のみだった。
今は通常業務から外れ、スケート靴と1大会に3着が必要な衣装費も援助されている。
好成績とともに施設の知名度も上がり、ジュニアのスケート教室の生徒数は400人を超え全国有数の規模。
職員が利用者から「おめでとう」と祝福の声をかけられる。
邦和SL内は今、「アキコ頑張れ」一色だ。
海外遠征からの帰国の度に多くの社員が空港に繰り出し、手作りのボードを持って出迎える。
東邦ガス社員も含め約120人が集まった公開練習後に開かれた壮行会で鈴木選手は
「ここにいる方を含め、お世話になった方の誰か一人が欠けてもここまでこられなかった」
と感謝の言葉を口にした。邦和SLの鬼頭賢次所長(51)は
「業務開始前から練習する懸命さを見ると応援せずにはいられない」。
今月下旬の鈴木選手の大舞台。その周りは熱い思いに満ちている。
◇
12日(日本時間13日)に開幕するバンクーバー冬季五輪。
愛知県勢が日本代表を独占したフィギュアスケート女子3選手をはじめ、
東海3県からも多くの選手が出場する。世界の夢舞台に立つ選手の向こうには、
かなえてあげようと競技活動を支える人、学校、企業がいる。選手と支援側の「熱き戦い」にスポットライトを当てる。=つづく
夢かなえて:バンクーバー五輪/2 中京大学 フィギュア・浅田真央、安藤美姫選手ら
◇改革志向、選手の支えに
寺尾悟、勅使川原郁恵……。
かつてはショートトラックで五輪の上位を占めた選手を輩出した中京大が、
フィギュアスケート選手の相次ぐ入学で一層注目されるようになった。
昨年4月の入学式。長い髪、スーツ姿の浅田真央選手(19)=名古屋市=が、
新入生との写真撮影に気軽に応じ、リラックスした笑顔を見せていた。
中京大が選手獲得に力を入れ始めたのは、安藤美姫選手(22)=名古屋市、4年生=が、
付属の中京大中京高に入学した03年ごろから。
同高からは、小塚崇彦選手(20)=名古屋市、3年生=らも進学。
体育学部長でスケート部長の湯浅景元教授(コーチ学)はフィギュアスケートのジャンプやスケーティングの運動解析を長年研究。
「スポーツではあるが芸術的な要素があり興味がある。うちを選んでくれてうれしい」と話す。
近年、中京大は華々しく冬季競技施設造りを展開している。
浅田選手が本番直前まで使う豊田キャンパスのスケートリンクは3年前に完成し総工費約15億円。
長野県白馬村のスキー場にあるフリースタイルスキー・モーグルの練習用ウオータージャンプ台の改修に協力。
そこで鍛えたスキー部の伊藤みき選手(22)=滋賀県出身、4年生=が日本時間14日、登場する。
有名アスリートの獲得は、大学の特色づくりに一役買っている。
大学は少子化の中、学生確保のため校名変更はもちろん、学部改編や施設充実、
入試方法の変更など生き残りに必死だ。
中京大も00年から、毎年のように学部・学科見直しと、新学部設置に努める。
一般入試の志願者の延べ人数は99年度の1万7000人台が、約10年後の現在は2万人前後に増加。
定員割れの著しい大学がある中、健闘している。
大手予備校関係者は「改革に積極的で広報戦略も上手。フィギュアスケート選手の活躍も影響があると思う。
偏差値についても、少子化で一般的に競争率低下とともに下がる傾向があるが、
中京大は学部によって上がっている」と分析する。
改革に努める大学の力が、五輪選手の支えになっている。