今日は新しいスタジオ物件の契約日でした。

朝から事務所に行き、女の子2人に囲まれながら、誓約書の内容の説明(10ページぐらいの誓約内容を聞かされます・・)とサインをしました。

なので・・これで正式に物件が決まりました!

さて

ちょっと今日は堅苦しいタイトルですが・・・

本日の内容は、先に述べた、”誓約書”の事です。英語で、Contractです。

昨日ある僕のクライアントから連絡がありました。

「展示会でオーダーがついたから、量産5月末にいれるね~空けとって~」

彼は初コレクションでロンドンの”Jacket required”という展示会に出展したブランドのデザイナーです。

ちなみにメンズです。

普通なら、よかったね~!じゃ、量産一緒にがんばろね~!、となります・・

が!!

全然うれしくない!!!

むしろ、迷惑!!!

なので、断りました。

はい!

皆様これで終われば、僕はただのへそ曲がりだということになってしまいます。

何事も話には裏表がございます。

では、説明に入らせていただきます。

*長文注意* 気になる人だけ読んでくだされ!

・・・・・・・

彼と初めて会ったのは、僕が縫製スタジオを始めたばかりのころでした。

イギリス人で僕と同世代ぐらいのほんと、気さくな感じの人で、話しやすく、いいパートナーになれそうだな、と感じたのが最初の印象でした。

ま、ちょっと気になる点は、やたらと、自慢が多く、特に自分がどれだけ金銭的なバックがついているかというのを、実際の金額を見せながら説明してきます。非常にセックスアピールの強いやつだな~と思いました。(うそか本当かはわかりませんが・・・)

ここからがスタートです。

最初のミーティングでサンプル作成を了解し、工賃も提示しました。かれも納得し、かえりました。

が、その後、メールで

「他の工場は少し安めでやってくれるといってるけど、そのくらいまで下げれる?」

といってきます。

ま、少しだからいいかと了承しました。

その後、パターン製作へ・・

最初、彼が買ってきたコートからパターンをつっくてほしいと言われ・・・

同じサイズで製作すると・・

やっぱり、変更じゃ!こっちが用意したモデルの体型に合わせて作って!と・・・

修正を加えると・・・

やっぱり、変更じゃ!1サイズ小さいのでつくって!

ま、それだけこだわってればいいじゃないか!と思われる人もおらるでしょうが、特にこだわってはません!

しかも、いろいろ難癖をつけ、修正代を値切ってきます。

(その節はKさん、お世話になりました・・・)


またある日は・・

彼とミーティングの打ち合わせがあった当日、その数時間前に電話で、

「いや~他の件が長引いて、間に合わんから、こっちにきて!」

え?という感じです。しかもなんで、そんな1時間もかかるところにいかにゃ行けんの?

もちろんいきません・・なので、彼は家に帰りました・・

これが2度もありました・・・

またある日は・・

納品日1週間前になっても裏地がとどきません。

なので、連絡すると、もう少しで来るとの事・・・

で、納期日当日の朝(金曜)・・・まだ来ません・・・

すると、彼から連絡が 「今日来る!」

「了解です~、じゃ、来週頭に出来上がるんで~」と、僕

「は?今日納期でしょ!?」と、彼

「昼に裏地が届いて、夕方に納品?は~??!!そんな、糊でちゃちゃとつくもんじゃなか!ボタンホールも開けにゃいかのに~」 と、僕。

「は?他の工場は全て今日納品するていっとるぞ~!お前のとこだけじゃ~」と、彼

「いや~すごいね、他のとこ、生地届いて3時間で完成させて納品できるなんてね~いつ来るか分からない生地待ちのために他のお客さんの時間を入れ替えれんです、こっちは。」と、僕

「他のあんたのお客なんて知るか!ならわかった、月曜納品で!週末つくれや~」

そして、月曜

「出来たんで取り来るか、運送する人をよんでくださいな。でも、その前に支払いを済ませてください。」 と僕

「いや、支払いはこっちに届いて、チェックした後にします。あと、そっちが配送してね。」

「いやいや、支払いは納品前だと最初約束したでしょ。もし、不具合があるなら、修正するので。あと、こっちで納品の手配はしません。」

そしてその2~3日後にやっと入金・・・なんだったんだろ納期って・・・??

まだまだ書いていないことがたくさんあります!

途中、途中の突然の修正・・付属不足・・・・デザイン変更・・・・などなど・・・

電話とメールでのストレスフルな対応が続きました・・

いや~長かった・・・

・・・・・

納品が終わり一安心・・・それからだいぶ経った昨日。

量産発注のメールが来ました。

(どこからのオーダー?という感じのこの間の開き具合・・・)

僕が量産の断りのメールを送ると・・・

「は?なにをいってるの?サンプルつくったなら量産もするでしょ!こっちはそっちで量産するつもりでいたから、他の工場さがしとらんとよ!なら、量産してくれる工場そっちで探してね!!!こっちはそんな時間ないから!」

さ、長い前置きもここで終了です!(え~!前置きだったの~!という声が聞こえますが・・もう少しで終わりです!)

こんな時、どう返します?

ま、その以前にこういう状況になったのは、僕がいけない点が多々あります。

一つは、僕が日本的な考え方をしたからです。

”ま、相手も自分と同じ様な考え方の持ち主だろう” 、と。

国も、文化も、はたまた人種も違えば、時には白が黒という事態もあります。

”当たり前”、”普通”などの考えかたは通用しません。

これらの考えは、国、地域、文化などが作りだしたものですので。

欧米はこの点を非常に理解しています。

多種多様な人種、国籍・・・

当然、当たり前、普通は存在しません。それをしたいのなら各々で、”誓約”という形で他の人々と共有します。

これに同意しないなら、そこの中には入れません。

当たり前、普通は、会社や、組織が作り上げた”誓約書”のなかに存在します。国だと法律かな?

今日、僕がサインした内容の中には、”夜中は大音量で音楽を聴かない”と書いてありました。

これに従わないなら、すぐに立ち退きを命じられます。

夜はボリュームは静かに、当たり前ですか?

ロンドンを夜中あるいていると大音量で音楽を聴いている部屋とかもあります。

ロンドンでは、子供が乗ってる車での喫煙は法律違反になる法案ができたりもしています。

当然でしょ!というのは考え方ではないなと、改めて気づかされます。

誓約書というのは、自分、または組織を守るものです。これがないと時にお互いに嫌に気持ちになったりする事が起こります。

僕は最近やっと身をもって分かり始めました。

なので、僕のスタジオも誓約書を作成いたします!

まず!

1.打ち合わせは、当初、指定した場所のみで

2.納期は全ての付属品、素材が揃うまで、確定しません

3.納品は支払い後

などなど・・・

面倒くさそうですが、お互いのためになるはずです!

でも、なかなか難しいのが、この業界・・・

しかし、やってみますとも!!

ここまで、読んでいただけた方おられます??

長々とお付き合い大変ありがとうございました。