熊日新聞 R6.5.19(日)6面 辻田真佐憲氏

 

「貴婦人のごとき灯台夏の潮」(橙青(とうせい)賞:佐賀 萩原豊彦)

「制服を脱ぐと父なり海保の日」(海上保安庁長官賞:熊本 槻木俊彦) 

 

初代海上保安庁長官は 熊本の大久保武雄(明治36年生 平成8年没 92歳)

田中角栄首相時代に労働大臣も務めており、ニュースや新聞等でよく見聞きしていた。

海保がなぜ俳句のコンテストか?

大久保初代長官が高浜虚子に師事するほどの俳人(俳号:橙青)であったためだという。

海保の精神を「正義と仁愛」と定め、徽章(きしょう)のマークを「梅」とした。

 

「梅は艱難(かんなん)の中に花を咲かせ、清香を放ち、花が散っても実を残し、その実は息長く常に民衆とともに生きている。これは日本の民主主義の精神と、敗戦日本が、雑草のようにねばり強く復興していかなければならない民族復興の精神を象徴している」(『海鳴りの日々』)・・後年、大久保の回想記 

 

辻田氏の論では、さらに昭和25年(1950年)の朝鮮戦争で北朝鮮がまいた機雷除去に掃海部隊が設けられ、これがのちに独立し海上自衛隊の母体となった。つまり大久保は海保の父のみならず海自の歴史とも深くかかわっているのであると。

 

世の中、知らないことだらけである。

新聞やテレビから得る情報はかなり大きい。

毎日が日曜日になった今日、知りたいという欲求が強くなっている。

でも、

知りえたことの多くを

しばらくすると忘れ去っており、

がくぜんともする。