「下関ゴルフ倶楽部」


下関からゴルフ場迄は、信号なしの整備された一本道

流石に歴代総理を輩出する長州藩、田舎道にも拘わらず道路は全て舗装されている。

カ―ナビを気にすることなく関門海峡からスムーズに30分程で下関ゴルフ倶楽部に到着。

年月を積み重ねた木々が我々を迎える。

素朴、質素にして重厚感が漂うゴルフ場

これが歴史の重み、風格であろう。

金に糸目を付けずに造った絢爛豪華な九州ゴルフ倶楽部、トランプゴルフ

クラブとは対極の質素剛健、自然を生かした格調高いゴルフ場。

他の歴史ある名門ゴルフ場と同じく飾り気の無いロッカールーム、

只、ロッカー室内に松の木が有り、天井を貫いているのには驚きだ。

メンテナンスが大変だろうが、如何に木々を大事にしているかが、肌で感じられる。
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時代を象徴する歴史ある建物の保存

それは、先人への尊敬、偉業への賛歌である。

年代を重ねたゴルフコースも同じだ。


重厚な歴史の雰囲気に浸りながらコースに向かうと、

多くの鳥が平然と佇んでいる。

鯉や亀も悠然と池を泳いでいる。

サンタバーバラの景色に通じる厳かさ

ゴルフの聖地に来た思いである。

中部銀次郎もこの聖地で修行を積んで居たので、

何処のゴルフ場でプレーをしても動じず、恐れを感じなかった事であろう。

プロを破って優勝をした意味合いも感じ取れる。


本日はインコースは誰もプレーをしていない、との事でインコース・
スタートにする。

前も後ろも居ないコース貸切状態、何と言う贅沢ゴルフであろう!

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キャディは、キャリア数年の若手の○田○美さん

カ―トを押しながらのテキパキとした素早い動き、


ミスショットしたボールの在り処を的確に捉えてくれる。

ラフに打ち込んでもロストボールの心配が全くない。

残り150ヤード、ラフでフライアーも有るから9番アイアンかな、、、と思っていると9番アイアンを黙って差し出してくれる。

以心伝心とは、このことか!

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数年のキャディ暦だが、タイミングを見計らって各自のショット写真も進んで撮ってくれる。

ホスピタリティーも完璧だ。


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プレー終了後に

「○美さんのお陰で楽しくプレーを出来ました」とお礼を言うと

「私も今日一日、とても楽しく一緒に回らせて頂きました。」と笑顔での
返答。

スコアーは忘れたが、彼女の笑顔と名前は忘れない。


昼食のメニューにはクジラ御膳があった。

流石は近代捕鯨の発祥地、下関。

連日の豪華料理に、少し食を控えようと長崎皿うどんにするも

ハチ、イクの注文したクジラ御膳のクジラベーコン、刺身、竜田揚げの

お裾分けを頂く。

名所で食べる名物料理は有難味が倍増だ。

捕鯨反対!には反対である。


プレー終了後、中部銀次郎の父、創設者中部利三郎の前で記念撮影

ゴルフ場の方々に感謝の挨拶


便を一便早めて午後9時には自宅に到着

書棚の中部銀次郎著「分かったと思うな!」の書籍に目が行く。


初心に帰り、再びUSA・若松・下関に挑戦しろ、と言う事であろう。



<USA・JAPANツアー無事終了>


「Wゴルフ倶楽部」

30年前に訪問したWゴルフ倶楽部とは大違い。

数年毎に来場をしているが、樹木も年々成長し、コース、クラブハウスも

5年前に改装され、全てに趣の有るゴルフ場に成っている。

風流人ハチが理事として指導・監督をしているお蔭か。


ここでは、飛距離を捨て安定性を求めたショットが全く通じない。

東京のコースとは異なり、距離の有るコースなので第2打が、
180~200ヤード近く残る。

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東京では、残り130~150ヤード程でグリーンに楽々パーオンさせる事が
出来るが、それが全く出来ない。

病棟を夢遊病者の様にさ迷ったイクの様に、コースをアチコチさ迷う。

途中のコースの記憶も定かでない。

イクも病棟体験を引きずった様に1番、4番ホールで2度の大叩き。

出だしからギブアップ寸前の様相だ。

7番ホール・パー4 449ヤードから見る玄海灘は美しいが
コースは険しい。


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ハーフの終わった時点で、おでんを食らう。

昔から変わらぬ懐かしい食堂でのおでんは、ひと際嬉しい。

スジ・糸こんにゃく・大根・袋、

う、ま、い、、、

スコアの詳細は覚えていないが、食したおでんの詳細は良く覚えている。


東京の甘いコース、接待コースに慣らされたゴルフでは通じないと反省。

難航不落の小倉城。

ハチは、ここでは地の利を生かし余裕のシングルプレー


リベンジを近い、悪夢を振り払う様に一路、川棚温泉に向かう。

途中、壇ノ浦の合戦場の見渡せるパーキングで休憩。

海沿いに旧英国領事館跡が見えるのも興味深い。

グラバーが長州藩に鉄砲・大砲を売り討幕を行った舞台でもある。

その長州の反政府軍・革命政府によって作られた日本、
今でも阿部首相=長州藩の流れを汲んで歴史が動いているのが不思議だ。

歴史的名所旧跡に感銘を覚えるも、九州での惨敗にデニ、イクは、
平家の落ち武者の様な心境で壇ノ浦を後にする。


「劇場旅館 川棚グランドホテル」

旅館かホテルなのか?良く分からない名前だ。

「男性3名なのでコンパニオンをお付けしますが、、」と女将の
おもてなしの優しいメッセージ

劇場の役者は客かコンパニオンか?

何の劇を演じるのか良く分からないが、我々には明日が有るので、
今回は女優との劇場共演は御断りする。

宿に着くなり温泉に直行!!

広い露天風呂に癒される。


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しかし、男女の温泉にはベルリンの壁の様に高いコンクリート塀が聳え建っている。

「お湯に浸かれば、お肌も心もリフレッシュ!」と詠っているが、何か
不足しているようだ。

過っては、コンクリート塀では無く、背の低い笹の垣根が並んでいる素朴な風情だったのだろう。

その笹の隙間からは、湯煙にボンヤリ浮かぶ美しい姿が垣間見れた事であろう。それが、本来の保存すべき日本の伝統文化である。

ベルリンの壁は崩壊し、東西自由に行き来が出来る様に成ったが、この壁が崩壊する日は来るのだろうか? 

日本の伝統文化が復興する日を夢想しながら、誰も居ない貸切状態でゆったりとラジウム温泉に浸かる。


湯上がり後のお楽しみは、ディナー

小食プランに名物イカの生き作りをプラスして貰う。

イカの刺身は、新鮮なので絶品。

只、胴体が刺身に成って盛り付けられているイカが

目玉をキョロキョロさせているのには、同情を覚える。

生まれ変わってもイカには、成りたくないものだ。

小食プランでも充分の量、質で下関の味を堪能、大正解だった。

翌朝も下関の味覚を揃えた数十種類はあるバイキングスタイルの朝食。

仲居さんも皆、愛想が良いので朝から気分が良い。

これならコンパニオンも愛想、サービスが良いのであろうと推測すると
昨夜、女将の申し出を断ったのが少し悔やまれる。

ピアニスト、コルトーが絶賛をした辺りの景色。

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フランス育ちのコルトー、本当は景色よりもその当時の混浴露天風呂を
愛でたので有ろう。同じジェントルマントとして、彼の心情が良く分かる。


いよいよ本州最西端のゴルフ場、中部銀次郎を育てた下関ゴルフ倶楽部へ
出発だ。


<つづく>



小倉・下関ゴルフツアー 


未だUSAツアーの余韻の冷めやらぬ中、突然にイクから10日後

USAの反省会ゴルフツアーを小倉・下関で開幕するとの連絡が来た。

USAツアーでは、準備・手配に2ヶ月以上を要したが、10日後で開幕とは如何なものか。
 
東京から出発のその日に九州で1ラウンド、二泊三日で3ラウンド
チャンピオンコースは、カ―ト無しの歩きのプレーである。

レンタカーで時間を取られる事もなくカーナビの心配もなく、スムーズに
ハチベイビーのお迎えで九州ゴルフ倶楽部に向かう。
 
恐怖と混乱で始まったUSA劇場とは全てが違っていた。
 
 
北九州空港から30分足らず。

路地のような街中の細い道を抜けると突然現れる広々としたタイル張りの
立派な道路。

絢爛豪華な門中

岩山をくり貫いたコースの見事な景観、

トランプに勝るとも劣らずの舞台装置
 
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度々プレーをしたバブルの象徴、会員権1億5千万円だったスリーレイクスよりも遥かにバブリー

世界でもベスト10 に入るゴージャスなゴルフ場で有ろう。
 
東京、午前7時40分発、ティーアップ 午前10時30分
 
ゴルフ場に着くなり直ぐにプレー開始である。
 
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名物、岩の剥き出たホール

ハチのティーショット、ショートカット気味に岩方面を狙ったがもろに岩に当たる。

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が、フェアウェイ真ん中に跳ね返って来た。

99%はOBの球が、ゴツゴツ岩に当たってフェアウェイど真ん中に戻って来るとは!

イク・デニ、驚くやら感心するやら!

しかし折角のラッキーショットを生かせずに第2打も又もや、岩山に当たってボールが行方不明に。

完全にOBと思っていたが、暫くして岩の上に乗るボールをイクが偶然発見

岩の上では、流石に打てないらしくアンプレでショット。

珍事は続く

イクは、右の林スレスレに落ちたボールを打つ度に右の木に当る事、
連続4回、ギブアップ寸前の11打。

デニは、軽いフェードのティーショット、

ナイスショットも僅かに右に反れて崖に跳ねてのOB

2打目も惜しくも同じ球筋でOB
3打目、4打目もナイスショットだが全てが同じ球筋で僅かにOB

意地で5打目を打とうとするとストップの声
 
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キャディが、呆れてギブアップした。

何だかんだで大笑い。

ゴルフプレーでの珍事には、笑って済ませられる。

実生活での珍事には、パトカーや救急車のリスクが伴うが。

組長の代わりに毎日のように来たいと思うバブリーなゴルフ場で
有った。


プレー後、ハチ宅にて豪華饗宴。

クエの刺身、裏庭の筍、自宅栽培の山菜、宮崎牛のステーキ、
 
 
ワインは、1988年のHJセレクトワイン、

樽を空輸しボトル詰をした記念のワインである。
 
27年を経ているので酢になっている可能性が大だ。

期待と不安。

コルクは、ボロボロに成っておりスムーズに抜くことが出来ない。

目の細かい茶漉しでコルク片を取り除きながらのデキャンター

得も言えぬ良い薫りが食卓に漂う。


喉越しは絹のように滑らか、熟成された気品ある香りと味

未熟なワインからの苦味、酸味が去り、

円熟味を増した我々を祝う様にワインは見事に熟成、洗練されていた。


この様なワインに出会えたこと、一緒に飲める悦び、USAツアーの顛末を

話しながらの大笑い。

ミッシュラン3つ星以上の素晴らしい食事を準備してくれたハチ感謝、
 
 
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刺身のわさびが効き過ぎたのか、笑い過ぎたのか、涙が滲む。
 
延々と5時間に亘る祝宴を終える。


翌日は、ハチが理事をしている懐かしの若松ゴルフ倶楽部でプレーだ。


続く