小学生の頃の落書きを除いて、
絵を「練習しよう」と意識を持って始めたのが確か2006年頃。
hitokakuなどで基本的な練習を始め、
当時有名だった30秒ドローイング等でノート1冊分くらいはまぁ意識を持って練習していたなぁと。
漫画家志望の人や、本当に「絵を描く」ということが大好きな人達ってなると
暇があれば四六時中ペンを握っている印象なんですが、
自分は絵を描くことは「嫌いではない」とは思いますが、
その他複数の娯楽を差し置いて一番好き、めちゃくちゃ好き!みたいな感じでは無く、
元々ゲーム制作の延長線で、素材を自分で用意出来たら色々都合が良いよね的な感覚だったり、
そもそも努力という言葉から遠い存在なのもあって、
毎日何時間も練習練習!みたいなのが出来ない人間なんですよね。
もちろん上手い人の絵を見て、自分も上手い絵を描きたいという欲求はあるにはあったのですが
元々ものを作ることは好きでも、精密作業はあまり得意ではなく、
大人になってからはなんというか時間に追われてる感をどうしても感じてしまう性分なのもあり、
模写なんかも、何十時間と労力を欠けて完璧な1枚を作るよりかは、
数時間でそれっぽいのを描ければいいかなぁ的思考も働いて
あまり時間の掛かる細かい作業はする気にならないというか、
そもそもどれだけ時間をかけても完成まで持っていける技量がない、というのが正しいといいますか。
もちろん本当に何十、何百時間と費やせば、真似ることは可能でしょうけど、
そこに苦労に見合った成果があるとは自分の中では納得出来ない部分もあったり、
模写って結局オリジナリティのあるものではないので、
創作ではなく、あくまで練習なんですよね。
最も、その創作をするための練習なので、多くの先人が仰る通り
上達するためにはやるべきことなのだと今ではしっかり自覚しています。
上であげた30秒ドローイングなんかも、今となってはそれっぽい人体をささっとかけるのは
恐らく当時必死に毎日書き続けたあの経験があるからこそ、脳が覚えてるんだなぁと思いますし、
逆に言えば当時から殆ど上達出来ていないのは、
そういう模写を始めとした基礎練から目を背けてきた結果なんだろうなぁと。
最近になって全く描いたことない構図とかも、ある程度資料を集めて挑戦してみたり
とりあえず漫画という形である程度継続性を確立してはいるものの、
連日描いてる時はたまにいい感じの描けたって感覚はありつつも、
普通に数日ペン握らないっていうのもザラにある生活なので、
じゃあ昔と比較して上手くなってるのかと聞かれると、
やっぱりちょっとあれなとこはありますよね……
もちろん当時と比較して今は定期的に描いているのもあって、
ある程度昔ならここ調べなきゃ悩んで描けなかっただろうなってところも描ける部分が増えてたり、
確実に前には進んでるとは思うのですが
やはり未だに描けない部分のほうが多いし、バランス本当にこれでいいのって不安が大きい人間なので
なんていうか、これが正解ですっていう答えがほしいんですよね。
模写は正解を見ながらやる練習ですが、
その正解に近づけるために限りなく時間を要するし、
やっている過程であっても、今描いているものが正解なのかってある程度進めないとわからない部分があるかと思います。
序に1発で正解のバランスでなんて初心者には無理なので、
まずある程度バランス取りするためにも時間を要するし、
自分が下手なのもあるのですが、描いてる途中にもアレ、ずれてるっていうのが結構あるんですよね。
それでズレを直して正しい形にしていくわけですけど、
なんというか、その過程は本当に模倣してるだけなんだなぁという虚無感が大きくて
ずれに気付けるのと、ずれない線を引けるのって多分また別の技術だと思うんですけど、
自分は後者の能力が圧倒的に不足していると言うか、
正確な線を引くっていうのがとにかく苦手な人間なので、
線1本模倣するにも莫大な神経を必要とするわけで……。
その全てが無駄であるとは思いませんし、模写することで得られる経験は確かにあるとは思うのですが、
恐らくまだ人体のような複雑なものを模写する技量に自身が達していないんだろうなぁと。
で、ようやく本題なのですが
やはり最近漫画を描き続けている中で、自分の画力不足というのをひしひしと感じていて
向上心というか、やっぱり模写とかもうちょっとそういう練習をやっていこうという思いもあり、
1回模写もしたはしたのですが、やはり時間と労力的に毎日続けるのが厳しいとこもあったり、
そもそも綺麗な線を引けないのがいけないのだから、
きれいな線をなぞって綺麗な線を引けるようになるのが先じゃね?的考えの元、
トレースをしてみたんですよね。
今の時代デジタルで適当に下レイヤーに引けば簡単にトレスもできるわけで、
自分の好きな絵師さんの絵を幾つか集めて、その中から何枚かやらせていただいたわけですが
なんというか、基本的な部分は正直めちゃくちゃ間違ってるって感じでも無かったというか、
やはり印象の違いは塗りだったり構図だったりっていう部分が大きいと思うので
線をなぞる段階では、そこまで普段の自分が間違ってるって感はしなかったんですよね。
ただその絵師さん達と自分との差みたいなのもその過程でわかって、
自分が普段手癖でやっている時よりも、このパーツはちょっと横に長めなんだなぁとか、
ここはもっと小さめで、このくらいのバランスでやってるのかぁみたいな
上手い方々がどういうバランスで絵を描いているのかっていうのが非常に掴みやすかったです。
模写と違い、トレスの場合は下絵の上からなぞるだけなので
迷い筆をする必要がないし、下絵の上から適当にあたり線引いてくだけでもバランスのとり方の勉強になって
別に全体を完璧にトレースとかしなくても
5分10分でざっくり気になってる部分についてあたり引いてなぞるだけでも
そういうバランス感覚みたいなのが養える気がするので、
自分みたいな普段ペンを握らない人間にとっては
描き始めの準備運動的な感じでやってみるのも悪くないんじゃないかなぁと。
そもそも模写も数枚やったきりで、トレスなんてやってきてない人間なので
いきなり色々すっ飛ばして自分なりにやろうとしてたのが間違いっていうのもあるんでしょうね……。
模写の前にまずそういうトレス練、というかトレス運動みたいなのをもっとするべきだと思いました。
トレス練ってなっちゃうと本当に模写と同じで模倣するだけの作業になっちゃいそうなので
描きたい部分というか、覚えたい部分をざっくりあたり引きながら
数分から数十分やるっていう準備運動的なやり方が、自分には合ってるかなぁという印象。
トレスや模写ってやっても発表できるようなものじゃないし、
特にトレスに限ってはほぼなぞるだけなので、ログとしてとっておいてもなんだかなぁって感じなので
逆に時間をかけずにログも残さずでストレッチ的にやるのは案外いいんではないかなと。
線を引くのに苦手意識があるのもあって、普段白紙にペンを入れていくのに抵抗があって
結構ぐちゃぐちゃーって最初にやることが多かったり、何度も同じ線を引き直したりするんですが
下絵が初めからある状態なら、そういうのを意識せずに
とにかく「描く」っていう行為に抵抗が無くなって描き始めやすいっていうのも、準備運動にもってこい感がある。
ただの○を描いて下さいでも、どこからかこう、どの大きさでかこう、描いたけど正解は?
みたいに色々考えすぎちゃう自分にとっては、寧ろこれこそが正しい準備運動だったんではないかと。
ある程度普段から好きな絵をストックしておけば、定期的に違った絵で実践できるし、
好きな絵でやる=自分の憧れる絵柄の癖とかも自然と吸収していけるってことになるので
本当になんで今までそこに気づかなかったんだろうと思わざるを得ない。
絵の講座系サイトって模写のススメを推してるサイトって沢山あるんですけど、
じゃあトレスして下さいとか、トレスするのも大事です!
みたいに言ってるサイトって、正直ほぼ無いんですよね。
もちろん初めは模写が難しい人はトレスから初めて下さいみたいなとこもあるんですけど、
基本は模写は重要、難しい人はまず簡単な形を練習しましょう!みたいなのばっかりで。
本気で絵のことしか考えてなくて、時間を費やしてとにかく上手くなるんだ!
って人にはそれが正解なのかも知れないですが、
自分みたいに飽き性で努力という言葉から遠い存在になってくると、
そういう毎日何時間も頑張る努力みたいのって、まぁ続かないしやる気も起きない。
絵は上手くなりたいけど、模倣がうまくなりたいのではなく、模倣したものを作りたいわけでもないので
意味ある練習であっても、模写ってやった後の達成感みたいのを感じづらいと。(の割に時間はめちゃくちゃ取られる)
そこに来てこのトレス準備運動っていうのは、
普段ペンを握らない人でも、ある程度絵の予備知識があって、
あたりの引き方やざっくりしたバランスが頭に入ってる人なら5分10分とかでさっくりやれて
短時間でそういったバランス感覚を養うにはうってつけではないかなと。
しかも自分の好きな絵でそれをやるわけですから、
当然そういった憧れる人達が長い年月をかけて会得した洗礼されたバランス感覚を上からなぞっていけるわけで。
模写の練習を始めるのは多分、そういう自分なりに苦なくいい感じの線が引けるようになってきて
線の引き方や物の形を学ぶっていうよりかは、色使いとか、
描き方やその人特有の描き味を学んだりってところなんだろうなぁと。
前者の部分を手早く学びたいなら、正直トレスの方が手早くて楽。
今までやってきたり、学んで良かったなぁって感じてるのは
・見えない部分まで立体を考える構造学や、立体を回転させて描く練習
・パースや陰陽、しわ(重力)といったものを描く上での基礎科学
・30秒ドローイング(手軽にそれっぽい人体をかけるようになった。時間が決まってる上、短時間なので比較的続けやすい)
後模写とはちょっと違うけど、資料を見ながら描くっていうのは大事だなぁというのは感じます。
そのまま模写するとつまらないので、自分は大抵向きやら動きやら変えて描くようにはしてるんですが
ただそうなってくるとそれどうなってるの?って部分が多々あるので、
まだ色々なものに対する理解力が足りてないのだなぁという自分の無力さが露呈するのですが。
立体を回転させて描く練習と言うと、フィギュアとか最近の3Dモデルなんかは
同じものを様々な角度から見て描けるので、そういう構造学を把握するのには優れてるなぁと感じます。
1枚絵の模写が出来ても、結局そういうのわからないと、自由な絵って描けませんからね。
イマイチ着地点が無くなりましたが、
とりあえずこれからは準備運動的な感じでトレスをちまちまとやっていきたいなぁというお話でした。
今日ささっとやっただけでもなんとなく手応えみたいなのを感じたので、
多分きっとそのうち効果が出てくるんじゃないかなと。
何より苦痛にならない手軽さが素晴らしいので、これから絵の練習をする人達には
まず模写よりトレスで色んなもののバランスについて学んでほしいなぁと思いました。
そういった意味ではhitokakuとかの超基礎的な絵の知識は
多くの人が口を揃えて奨める理由が今になって良くわかります。