■私らしさの原点とは
人の話を聴くことが仕事なのに
それが不得手だという
コンプレックスを抱えながら
仕事をしていたある時。
私らしいインタビューの
あり方を見つけるきっかけになった
取材があります。
それは、ある企業の
経営者の方の取材でした。
事前にいただいた資料に
目を通していると
私の父とそっくりな方であることに
気が付きました。
同世代でエンジニア系、
機械をばらしては組み立てて
遊んでいたという子ども時代。
違っていたのは、
工学部へ進学された経営者さんと
家庭の事情で高校への進学も
かなわなかった父の環境でしょうか。
もし、父も大学へ進めていたのなら
社長様のようなエンジニア人生を
歩みたかっただろうなと
想いをめぐらせました。
そしてますます、社長様に
お目にかかってお話を伺うのが
楽しみになっていきました。
さて当日。
社長室へ通され、広報担当者さんを
はじめ、お付きの社員さんや
カメラマンなどの取材陣で
部屋はいっぱい。
……緊張するなあ……。
「よろしくお願いします」と
挨拶を交わし、取材が始まりました。
その時でした。
私は自分でも驚くような
行動に出てしまったのです。
「私事で申し訳ありません。
私の父は社長様と同世代で
しかも同じエンジニア系の
仕事に就いておりました。
今日はお話を伺えることを
とても楽しみに参りました。」
いきなりこんな声をかけることから
インタビューをスタートして
しまったのでした。
「うわ、いきなり失礼だった…」と
はっとしても、もう後の祭りです。
でもその時、目の前の社長様の
表情が緩みました。
そして、笑顔を浮かべながら
うれしそうに話しかけてくださいました。
「そうですか。やはり
モーター関係のお仕事ですか？」
「父は自動車関係でした。
社長様と同じように
モーターをばらして組み立てて
遊んでいたそうです。」
しばらくそんな会話を重ね
話題は自然と、仕事に就かれたきっかけや
創業時代へと移り、準備した質問に
丁寧にお答えいただきながら
取材が進んでいったのでした。
「じゃあ、よろしくお願いします。」
最後の質問に答えてくださった社長様は
丁寧なご挨拶をくださり、社員の方々と
次の会議へ向かっていかれました。
深々と頭を下げてお見送りし
取材が終わってホッと安堵していた
私たち取材陣。
そこへ広報担当者さんが
声をかけてくれました。
「社長があんなに楽しそうに
話す様子に驚きました。
事前にお答えを用意していましたが
準備した資料ではなく、さきほど
社長が話した内容で書いてください。」
そうです。
内心ドキドキしていた私でしたが
取材は「成功」だったのです。
この一件が、私の大きな転換点に
なりました。
そして数年後、この時の気づきが
間違ってはいなかったのだと
確信することになりました。
それは、あるメルマガの記事に
出会ったときでした。
私には目標とする人がいます。
ノンフィクションライター
小松成美さんです。
著名人の取材が多いことや
数多くの著書を出版されていること
……が憧れのポイントではなく……
取材相手としては
かなり気難しい（であろう）
イチロー選手や中田英寿さんたちが
小松さんには心を開き
全幅の信頼を置いて
気持ちを語り尽くすこと。
私もそんな取材者になりたいと
ずっと思い続けています。
でも、なぜ小松さんには
みんなが心の内を
話してしまうんだろう？
その答えは、小松さんの
メルマガの中にありました。
月曜日は、メルマガで確信した
取材者としての私らしいあり方を
書いてみようと思います♪
気が付けばコツコツと
登録者さんが増加中♪
ただただ感謝でいっぱいです！
ありがとうございます！
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