■息を合わせよう
毎年、毎年、たくさんの方と
取材でお目にかかります。
仕事を始めた頃から数えると
……何組の方のお話を
聞いてきただろう……。
雑誌や全国紙に掲載されるような
メジャーな原稿ではないし
情報誌に携わっていたころは
とことん地元に密着！
地域で頑張っている人たちが対象で
「お話を聞きたい」と
お伝えするだけで
本当に喜んだくださる方々。
拙文にもかかわらず
ほめてくださり、お礼まで言ってくださり
喜んでいただけることが
何よりうれしい仕事でした。
でもここ数年は、好きなはずの
この仕事の「辛さ」の比重が
増え始め、迷路に入り込んが
状態に……。
お話を聞くことに気の重さを
感じたり、パソコンに向かっても
言葉が出てこなかったり。
「壁」ならいいけれど
これが「限界」だったらどうしよう
なんてことまで心配したり。
もしや廃業の時期が来たのかなんて
考えてしまったこともありました。
今年は特にコロナの影響で
いいのか悪いのか
短期間に一気に仕事が集中し
そんなことを悩んだり考えたり
しているヒマもないほど
スケジュールに追われまくって
必死に「書いてる」毎日…。
その中で、先日ある取材に
出かけた時、やっと自分らしさを
取り戻せる出来事があったのです。
その日の方は、こちらが質問を
投げるスキもないくらい、
一生懸命にお話をしてくださり
あっという間にタイムアップ。
「質問、はさめなかったなあ」
とつぶやく私に、同席していた
仲間が笑って言ってくれました。
「気持ちよくお話しいただけたので
よかったですよね～♪」と。
その瞬間、あぁ、そうだったと
ふっと肩の力が抜けました。
ずっとずっと大切にしてきた
取材仕事は、お話してくださる
その方のためのものだった。
相手に息を合わせ、お一人おひとりが
話したいことを、余すことなく
伝えられるように
「聴かせて」いただくのが私の仕事。
楽しそうに話される姿や
伝えたいことを一生懸命
言葉にしていらっしゃる姿を
拝見するのが楽しかったこと。
生きてこられたその方の道や
人生を、長くても短くても
大きな出来事でも小さな出来事でも
しっかりと受け止めさせて
いただくことが私の仕事だったこと。
いわば、仕事を始めた頃の
原点に返れた気がしたのです。
ついつい、目の前の方でなく
原稿の発注者のために書くことに
必死になっていたかもしれないと
深く反省するきっかけにもなりました。
こちらに合わせて話してもらおうと
一生懸命になってたんだなあと
気が付きました……。
そりゃ楽しくないし苦しいよね……。
話してくださる方に息と心を合わせ
いっしょにお話を楽しませて
いただくことが、私にとっての取材の基本。
これまでも、ついつい感情移入しすぎて
何度も一緒に泣きながら取材したり
質問をすっかり忘れたり
いっぱいいろんなことを
「やらかして」きましたが
私はそれでいいんだよねと
もう一度、自分の仕事に
向き合い直すことができました。
取材を仕事にしていないあなたにも
これってしっかり当てはまること。
ブログを書く時、何を思って
書いていますか？
集客とかアクセスとか
自分にだけ矢印が向いてませんか？
読んでくれる人のこと、
しっかり思えてますか？
自分が書きたいことを書いても
誰も喜んでくれません。
読んでくれる人に心と息を合わせ
本当に求められていることや
自分が自分の仕事で役立てることを
しっかりと探して発信しましょうね。
そのネタ、ホントに読者が
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