高校野球の県予選が
佳境に入ってますね。
 
 
兵庫県はこれから準決勝。
 
 
激戦県ですから
応援にも力が入ります。
 
 
そんな中、大船渡高校の
佐々木投手が決勝戦に
投げなかったことが
いろいろ物議をかもしました。
 
 
投げたかっただろうな。
甲子園に出られるなら
肩が壊れても本望…
っていうくらいの
気持ちだったかもしれません。
 
 
投げさせるべきか
休ませるべきか。
 
 
勝手な周囲の是非論が
飛び交うのを見ながら
息子が高校生だった頃の
出来事を思い出しました。
 
 
 
 
当時、息子は美術部で
マイペースに作品制作に
取り組んでいました。
 
 
顧問の先生は、そんな
のんびりした生徒にも
穏やかに温かく指導を
続けてくださり
 
 
その結果、思いがけなく
大きな賞をいただき
東京での表彰式に出ることに
なったのです。
 
 
一流ホテルでの表彰式は
広いホールがたくさんの人で
いっぱい。
 
 
作品は有名な建築家が
手がけた美術館で展示。
 
 
親子で素晴らしい経験を
させていただいたのですが
 
 
なによりもうれしかったのは
一緒に行ってくださった
顧問の先生が、カメラ片手に
一生懸命に息子の姿を
追いかけ続けてくださったこと。
 
 
それはそれは嬉しそうに
ずっと一緒に帯同くださった
ことでした。
 
 
入賞をいちばん喜んで
くださったのは、他の誰でもなく
 
 
作品に向き合う息子の一生懸命さや
途中で投げ出しそうになった
苦悩の様子をいちばんそばで
見守り続けてくださった
先生だったのです。
 
 
あの日の先生の姿が
大船渡の先生に重なり
そして思いました。
 
 
 
 
いちばん投げて欲しかったのは
投げさせてやりたいと
思っていたのは
 
 
先生だったはず。
 
 
甲子園のマウンドに立つ
彼の勇姿を一番見たかったのは
先生だったに違いない。
 
 
投げさせないと英断した
先生こそが一番辛かっただろうなと。
 
 
生徒の入賞をあんなにも
喜んでくださった息子の先生を
目の当たりにしたからこそ
そう感じたのです。
 
 
いつか将来、この先生の判断に
彼が感謝できる日が来るといいな
と思います。
 
 
そんな私の小さな後悔……
東京でのあの日、
先生と息子の写真を撮ればよかった。
 
 
先生ごめんなさいって
今も胸がチクッと痛む
思い出です。