デンマークに帰ってきて早々、プロジェクトで修士論文を書く学生のサンプル作製や、茶会の準備などやるべきことで忙殺されているが、今回、5月の山スキーを初体験したことで思ったことについて書いてみたい。

メリット

－気温が高く軽装で可能

－雪が柔らかく、凍るリスクがなく、スキーで登りやすいし、非整地でもトレースに邪魔されず滑走しやすい

－暗くなるのが23時過ぎと日が長く、遅いスタートでも時間がたっぷりある

－天候が比較的安定していて、視界が開けるチャンスが大きい

デメリット

－基本的に標高1000ｍ以上のところでないとスキーできないため場所が限られ、高い山でも低地でスキーブーツでの登山、もしくはトレッキングシューズ併用が求められることがある

−標高1500ｍくらいまで雪が切れていることもあり、ルートが限定される上、板を持ち運びの移動が求められることがある

－雪が薄くなっているため沢を踏み抜く、沢に落ちるリスクがある

－斜度が小さいところでは摩擦が大きすぎて滑りにくく、スケーティングが必要なことも

わたしは春スキーに戸惑うことばかりだったが、ノルウェー在住夫妻は厳冬期は基本的にクロカンのみ、ランドネでの山スキーはイースターで本格的に始めるらしい。

確かに、2月3月に同じ低山に三度山スキーに行ったが、毎回視界が晴れなかったため頂上までには行けず獲得標高300ｍがせいぜいだった。

イースターでGlittertindenに登頂し、やっと山スキーができたという感覚を得た。4月のテレマーク地方最高峰登山も楽しかった。

しかし、今回ノルウェー在住夫妻とJotunheimenで合流し、ここに登りますと示された山は、、、

頂上までまだらな模様が見え、これ、、雪でつながっているのかな、、と懸念が芽生えた。

結果的に一度も板を外す必要はなく、頂上までスキーで登れたのだが。下りで部分的に石だらけのところを回避するのに難を感じたことはあったが。

そして昨日の登山

最初の2kmくらい普通のトレイルだった。そこをスキーブーツでトレッキング。大きな岩を避けるために藪を通ったりしたが意外に難しくはなかった。

しかし今回課題になったのは、

－トラバースで変なトレースに嵌ってしまい、立ち往生した

－登るとき、斜度のある狭い雪渓で、キックターンの自信がないためにスキーで登ることを避けた。しかしツボ足での登山も苦手。

－下るとき、斜度のある狭い雪渓で、キックターンもできない上、なかなか高度を下げる滑りができなかった。

春スキーは、どうしても雪面積が小さくなり、狭い雪渓の範囲で移動する必要が出てくるけど、わたしはそれがやっぱりなかなかできない問題が露わになった。

そう、私はいまだにゲレンデのように広い斜面ではないと、逡巡せずに滑り降りれないのである。

なので、並行のまま高度を下げる斜め滑りや下りでのキックターン、それと狭い幅で細かいターンで滑り降りる練習をするべきと彼に言われた。なんだったらコペンヒルでも練習できると。斜度が高いほど、大きくターンしたい私には酷な練習である。

また春スキーは標高が高いところでしかできないので、5月にはノルウェーで最高峰が集まるJotunheimenに山スキーヤーが集まるようだ。

5月に、冬季閉鎖の高山道路が開通するので、いろんな山にアクセスしやすくなることもあり。

実は開通してから1週間も経ってなかったが、道路沿いに美しい景色が延々と続き、いろんなところで滑っている人がいた。

春スキーは、どういうルートで移動するか考えさせられるし、どのように移動するべきか考えさせられるし、いかにも山に格闘している感じが楽しいといえなくもない。

去年の残雪登山でもそれは言えたのだけど。

新たな課題をもらい、つくづく山スキーの奥深さを知った。

春スキーについて