バーチャルカープ女子・イツキさん
「オッす!みんな久しぶり!
バーチャル世界の住人・イツキちゃんです!」
「ウチには、この時期になるとどうしても行きたい場所があって…
「埼玉県加須市の『ジャンボ鯉のぼり遊泳』」
「カープファンの一人として…
この『ジャンボ鯉のぼり遊泳』は何としても一度見てみたいっ!」
「天高く舞う世界最大の鯉のぼり…カープファンの、広島市民の夢…」
イツキさんの双子の兄にして、カープ女装男子・サツキさん
「そんなイツキには、とーっても残念なお知らせだけれども…
今のカープは地に落ちてるわ。『単独最下位』。」
「せっかくの鯉のぼりの季節なのに、ねー!」
「…なんか、今日の兄者は、いつにも増して機嫌が悪いな…
今日どうなったんよ、カープ勝ったんか?」
「勝ったわよ、4-1で。」
「…?
それじゃったら機嫌は良くなるじゃろ…?
何でそんなに機嫌悪いん?ウチが勝っただけでは最下位から上がれんからかね?」
「…試合の、内容よ。」
「内容…?
すまん、ウチは今日忙しくてさ、まだ結果見とらんのよ…
カープは勝ったのに、兄者は、何が気に入らんのん?」
「決勝点は、代打の松山さんのホームラン。
7回ウラ。
4番の堂林さんに代わって代打に立ち、そして3ランホームラン…」
「7回ウラで4番に代打出したいうんか…!
こりゃぁ勝ったけぇ良い、いうもんじゃないで…
ナンボウチの4番が『何でもやる、繋ぎの4番』だとしても、やって良い事と悪いことがあるよね!
兄者の機嫌が悪い理由が、分かった気がするよ…」
「…んで?どうするよ?
今のカープの問題は「貧打」じゃないんさ。
今日見てみカープ打線は「10安打」放ってる。
今年のウチの打線の問題点はよ、とことん『チャンスに弱い』。
そこん所、どう立ち回るかね?」
「新井監督は最初から言ってたわ…「今年は、戦いながらチームを作る」って。
だから。交流戦までは『待ち』でしょうね」
「いうて、現状で交流戦、勝ちに行けるんかい?」
「現状のカープの強みは『守り』よ。
投手陣にしろ、守備陣にしろ、鉄壁の守りを誇るわ。
…だけれど今のカープは『守り勝つことが出来ない』。
だからこそ、カープの「長所」を今、改めて考えた直した時に…
『カープが勝ちに行くためのパズルのピース』は、既に用意されているの。」
「………」
「…いや。待ちんさい。
『兄者が何を言わんとしているか』ウチには分かったぞ。
兄者は『大博打』をかける気か?
確かに今はそれが『打開策』ではあるけんど…博打も博打。大博打にも程があるで?」
「だからこそよ。
今日の『4番に代打』で、道は拓かれた。
『4番』が誰でも良いのであれば…」
「外国人野手」
「これが兄者の『切り札』か?
…たしかに「調整期間」は用意された。
そして「今のカープに足りない部分」というのは、まずもってここよ。
ここの所を、どうしても『4番・堂林』では、埋めきれんかった…。」
「問題なのはこの記事よ。
今年の堂林さんは『選手会長』であって、決して並みの選手ではないのだけれども…
こうして『中国新聞でプレーに苦言を呈される』。
そしてシーズンはいまだ『鯉のぼり』の時期…
チーム再編の時間、立て直す余裕は、まだ残されているわ。」
「………」
「…兄者が大博打を打ちたい気持ちは、よく分かった。よく分かっただけに…
この博打を外したら、今年どうなるよ?救いようが無くなるんじゃないんか?」
「…その時は。」
「その時は?」
「加須市の利根川の河川敷で、お昼寝でもしていましょう♪」
「加須市のジャンボ鯉のぼりは、クレーンで引き揚げるんか!
…ていうかクレーンのサイズがなんかおかしい!
本気すぎるっ!」
「上がれ上がれ!鯉のぼり!!!」