勝利投手訂正の話~13日の阪神対広島戦、勝利投手は松本に。 | 不屈の心はこの胸に!りゅうさんの「広島スポーツ応援ブログ」

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皆さんは、この話をご存知ですか?

 

甲子園球場で13日の火曜日に行われた阪神対広島戦。

試合終了後、いったんは森浦が勝利投手として発表されましたが、記録を訂正。

勝利投手は松本となり、森浦にはホールドが記録されました。

 

まず、この試合の試合結果。

4回に2点を先制したカープは、その後阪神に一度も逆転を許さなかった。

つまり「カープ側が最初に確保した勝ち投手の権利は、この試合中1度も消滅せずカープ側が確保し続けた」という事です。

 

次に、登板した投手の成績を調べてみます。

先発 :九里 4回1/3 自責点1

2番手:森浦 2/3 自責点0

3番手:松本 1回 自責点0

4番手:ターリー 1回 自責点0

5番手:矢崎 1/3 自責点2

6番手:栗林 1回2/3 自責点0

 

…先発の九里は5回を投げ切らずに降板したので、勝ち投手の権利はありません。これはまず簡単です。

普通に考えたら、その後を抑えた2番手の森浦に勝ち投手の権利がありそうですが…

 

ここで出てくるのが「公認野球規則細則」というものです。

「プロ野球内規」とも言うそうです。

規則では規定できない細かい内容を記したもので、例えば今回のような場合「公式記録員が公式記録書類作る時の参考にする」様な時に使うもので、基本的に非公開…ていうか、多分シロウトのオイラ達が読んでもチンプンカンプンだろうから公開してないだけだと思う。今回条文出て来たし。

 

今回出てきた「細則」は。

「先発が5回をもたずに降板し、救援投手の中から勝利投手を選ぶ場合、投球回が最も多い投手と比べて1回以上短い投手は、対象から外れる」

というものです。

 

この試合で登板した救援投手の中で、最も投球回数が多いのが栗林の「1回2/3」です。

森浦は、2/3しか投げていないつまり「投球回が最も多い栗林と比べて1回短い」ので、この細則に抵触し、勝利投手の対象から外れる事になります。

 

故に、条件を満たしている松本とターリーのうち、先に投げた松本に勝利投手の権利が与えられた。

という事になります。

 

…しかし、ここで思いませんか。

「投球回数だけを見た場合、栗林がいちばん投げている…という事は、栗林に勝利投手の権利があるのではないか?」

 

これがですね…

ネットを色々チクチク調べていると「別の細則」が出てきたんです。

ちなみに「最初に上げた細則」とは、ちょうどウラオモテの関係に当たる細則になるんですが…

 

こう言う細則です。

「投球回数が他の投手より1回以上多い救援投手がいた場合には、その投手に勝ち投手の記録を与える」

という細則です。

 

…実は。

この細則が出されていたのは「別の案件を説明するため」でした。

 

勝ち投手が5回を持たず降板し。それでもチームが終始リードを守っていて。

救援投手の中で「救援投手Aが2回2/3を投げて自責点2。救援投手B以下他の投手は全員1回づつ投げて自責点0」と言う場合に、救援投手の中で一人だけ失点している救援投手Aは、しかし他の救援投手より1回以上多く投げているために、勝利投手の権利を得る。というのが、この細則が説明されている案件だったのですが…

 

この細則を、この度の13日の試合に当てはめた場合。

栗林は、他の救援投手より1回以上の投球回を投げてはいないので、勝ち投手の権利は、勝ち投手の条件を満たしている松本に与えられる。

 

という事になります。

 

ちなみに。

「勝ち投手」と「セーブ」の権利が両方同時に成立する場合は…「勝ち投手の権利が優先されます」。まあ、当たり前といえば当たり前ですが。

 

なお、この細則が何を意味しているのかと言うと。

「野球においてチームが勝利するためには、何よりもアウトを取った数が重要だ」という事を暗示している…とオイラは考えております。

 

あくまでもオイラの考えです、違ってたらごめんなさいm(__)m

 

それにしても、野球ってのは、まだまだ知らないルールがいっぱいありますね。

 

例えばさ。

今回みたいに先発投手が勝ち投手の権利を満たさず降板した場合、救援投手の中から勝利投手を決める方法を、きちんと説明できます?ちゃんと説明しようと思ったら、結構難しいんですよ…

 

と言う訳で今回は、知ってるようで知らない、プロ野球のルールのお話でした。