きょうはこれを読みました。
1時間あれば読み終わる短編です。
そしてなんと、村上春樹のデビュー作です!!
この作品は、村上春樹さん本人が、まだ拙く未熟だったとの理由で翻訳を許可していない作品だそう。
村上春樹さんのファンとしてはデビュー作品として必ず通る道なんでしょうけれど、うん、まあ、たしかに、他の作品のほうがおもしろいかもw
気に入った一説は、121ページ
【条件はみんな同じなんだ。
故障した飛行機に乗り合わせたみたいにさ。
もちろん運の強いのもいりゃ運の悪いのもいる。
タフなのもいりゃ弱いのもいる、
金持ちもいりゃ貧乏人もいる。
だけどね、人並外れた強さを持ったやつなんて誰もいないんだ。
みんな同じさ。
何かを持ってるやつはいつか失くすんじゃないかとビクついてるし、
何も持ってないやつは永遠に何も持てないんじゃないかと心配してる。
みんな同じさ。
だから早くそれに気づいた人間がほんの少しでも強くなろうって努力するべきなんだ。
振りをするだけでもいい。
そうだろ?
強い人間なんてどこにもいやしない。
強い振りのできる人間がいるだけさ。】
その通りで、世の中にはかならず格差というものが生まれますが、でも悩みのない人間なんていない。
なにかを得れば得た分だけの悩みが増え、なにかを失えば失った分だけの心配や悲しみが増える。
人間はどこまでいっても悩む生き物なんでしょうね。