『 健康食品と誇大広告 』

丁度、先週の今日消費者庁が、大手一部上場会社に対して、健康増進法(誇大表示禁止)違反で勧告というニュースが流れました。
最近は、健康に気を使う方が多い中、今回は特定保健用食品(トクホ)の広告が勧告を受けるのは初めてということで普段、特に神経質になっている訳ではないのですが、健康食品について調べてみたのでシェアさせて頂ければと思います。

実は、健康に良いとされているのですが実はあまり効果がないか逆効果なものが世の中には、多く存在します。
サプリメントに効果があるか、実は医学的にあまり証拠がない。
よほどの栄養失調状態でなければ、ビタミンなどのサプリメントの効果はほとんどないとされています。
心臓血管疾患やガン、認知症や言語記憶、心筋梗塞、いずれに対してもビタミンやミネラルなどのサプリメントは効果がなかったと報告されいるようです。
マルチヴィタミンを摂取していた人は、その後、19年の間に死亡する確率が、摂取していなかった人と比較して6%高かったというデーターもあるようです。

本来、サプリメントを機能させるためには、食品の中に存在するが錠剤には含まれないほかの成分が必要とされます。


<ダイエット飲料やスポーツドリンク>
1日に2本の炭酸飲料を飲んでいる女性の腎臓機能が著しく低下しているということがわかったそうです。
原因は「カロリーオフ」飲料などに使われている人工甘味料が要因で、この人工甘味料により、インシュリン濃度があがると考えられています。
その結果、脂肪もつきやすくなってしまいます。
ノンカロリー飲料を飲むと糖尿病になるリスクが1.7倍だそうです。
果汁100%ジュースなどの濃縮還元ジュースは濃縮の過程で、果物の酵素が失われ、ビタミンなどの栄養素が変質してしまい、体にはプラスにはなっていないようです。
果汁100%のジュースでも糖分をかなり含んでいます。
ジュースに限った話ではなく、ノンオイルドレッシングも該当します。
サラダドレッシングはオリーブオイルや菜種油(キャノーラオイル)といった、ヘルシーな一価不飽和脂肪から作られており、この種の油分は心臓病等の予防に効果があります。
通常のサラダドレッシングは、お酢と植物由来の油がバランスよく混ざります。
ノンオイルにするとバランスが壊れて、「自然」に見えるよう糖質由来の乳化剤やその他にも化学物質が加えられています。
油脂を使わないことの物足りなさを、糖類でカバーしていることになります。
低脂肪を訴えるお菓子なども全て同様の理屈で身体に良いとは限りません。

これらの特徴として、
  
① 誇大広告
メーカーや販売店では「自然」「無添加」「健康」をアピールした商品を積極的に販売しているが、そこには食品成分表示に関する法規には違反せずに消費者を上手に欺くテクニックも利用しています。
健康に対する意識がみんな高くなっているがゆえに、そういう手軽に健康になれるものに手が伸びてしまいます。

② 疑似科学のオンパレード

体験談を利用して販売に結び付けている健康食品が非常に多く見受けられます。
マスメディアの内容は、必ずしも科学的な裏付けにはならない。
時間や紙面などの都合で内容が省略されたり、研究の一部分だけが大きく取り上げられたり、実験の条件などが提示されていない等々。
科学的根拠ある情報を簡単・手軽に、得るためには国や国の研究機関が取りまとめた報告書レベルになっている情報を読むことが重要となります。
また、健康の定義は変わっていく。。
昔はヘルシーな油ともてはやされていたマーガリンが、今では「トランス脂肪酸を含むので摂り過ぎないように」と言われるようになった。
昔は健康に良いとされていたものが、実は健康に悪かった例は後を絶たないです。
そして、研究は次々行われていますので、今後もこのような例が出てきます。
では「何に気をつければいい」のか?
健康をアピールする食品に依存しない。
健康食品のすべてに当てはまるわけではありませんが、飲むだけで健康になったり痩せたりする魔法のような成分などない。
ある方法論を鵜呑みにし、そこに全てを賭けるのは危険です。
食べ物に対する思い込みや仮説はとても危険。
健康のために食生活でもっとも大切なことは特定のものにこだわらず、多種多様な食品を
バランスよく食べること。
昔から、「いろいろな栄養素を摂るために、一日30品目を食べましょう」と言われてきましたが、これは逆に特定の食品に含まれるリスクを分散することにもなります。
健康でいる事は「健康になる食べ物」を口にすることではなくて、食べ物を正しく理解して知識を高めること。
健康的なイメージをアピールしながら砂糖や香料を添加し風味を増し、かえって高カロリーになっているものも少なくありません。
メディアに惑わされることなく、食品の栄養表示をよく吟味することが大切ですね。