こんにちは、イトウエルマです。
梅雨に突入しました。
かつて、梅雨が憂鬱でした。
湿度が高いからカビが生えやすいし、天気も変わりやすいし、
体が重くなる、気分も重くなる、髪の毛もちりちりするし、
梅雨が明けたら明けたで暑い日がやってくる。
いいことなんて、ない、と、思ったもの。
それが、わくわく楽しい季節に変わりました。
梅干作りを知ったお陰です。
梅雨とはよく言ったもので、
まず梅は梅雨に入ったころからお店にならびます。
雨の間にお店に並ぶ梅を買って、漬け込んで、
紫蘇もちょうどその頃に出回るので
いい頃合いで紫蘇を投入したり、容器をゆすったりなど
せっせとお世話。
そして、待ちに待った梅雨明けの、土用の日差しで、
早朝から梅を干す。
日差しは強ければ強いほど、いい梅干ができる!
そんなわけでありまして、
雨が降って梅が育つのも、梅雨明けの暑さも、
梅干作りをする人には待ち遠しい季節なのでありました。
梅干作りにハマるひとは、山菜採りやきのこ採りに似た
季節を満喫できる歓びを見いだしているはず!?
それで、梅干作りですが、家に梅畑をお持ちでない方は、
梅をお店で買うか、通販で買うことになるでしょう。
当方もそうで大量に漬けるわけでもないため、
(梅のクオリティにはあまり拘泥せず)お店で買ってきます。
まず売場では梅酒に使えるような青いのがずらりと並び、
その合間、合間に並ぶのが梅干用の梅。
例えば梅酒用として売られている梅は
やや未熟な実で外は固く、色は青く、中の種は大きい。
一方で梅干用の梅は、実の色が黄色で、
身は大きく、中の種は小さい。
昔は訳がわからず、梅酒用の梅で梅干を作ったり
梅干用の梅で梅酒を作ったりしてましたが、
できあがったのを食べると、それぞれ適したものがあることに気が付き、
今は慎重に見極めをしているのでした。
(紀州産が有名な梅の品種、南高梅は身が厚く種が小さめ。
基本的に梅干用として買って間違いのない品種です)
ところで、その年の梅の出来映えは
シーズンが終わるまでは分からないもので
出始めたと思ったらすぐになくなってしまう事もあったり、
反対にいい梅が長く売場に並ぶ事もあったりで
漬けそびれたり、沢山漬ける羽目になったりと
梅干作りに振り回されるのがこの季節であります。
特に今年は梅干作りの機会を待ち望んでおりました。
というのも、去年は引っ越しで忙しく梅干どころではなくて、
一昨年は一昨々年に沢山漬け込みすぎたために
作るのを見送っており、我が家の梅干事情が
危機的状況になっていたのです。
梅の出始めは手に入らなくなる恐怖心から
ついつい未熟な実に手を出してしまったりしますが
今がまさに梅の出始めで、いかんと思いつつも
焦る気持ちからいつもよりやや未熟な梅を買い、
追熟(黄色くなるまで放置すること)をすることに。
しかし、今まではある程度熟れた梅を手に入れていたために
これまでには起こりえなかった問題が浮上したのです。
梅の表面にシワが寄っているものがある!
ググってみると、シワの寄った梅は梅干には適さないから
止めた方がいいと書いてあるサイトがある。
少々悩みましたが、(梅酒にするのも嫌だし)
試しに、漬けてみました。(これも経験です)
シワができたという事は、梅酢になる分の水分が
蒸発して梅酢が足りなくなるはず。
(梅酢が足りないと、カビが生えてしまうのです。それは避けたい!)
それで今年は梅に梅酢をやや多めに回して、
(梅酢は殺菌の為と、早く梅酢を上げるために使います)
それから塩を振って漬け込みました。
塩は大体18〜20%。
塩を控えると1年以上経ったときにお味が落ちるので
塩はある程度入れるこの分量に落ち着いています。
梅酢投入のお陰か、梅酢は案外早く上がった!
梅酢が上がれば、後はカビが生えないよう、
時々ゆするくらいでいい。
さて、只今の梅の姿を見てみると
シワの寄った梅はシワの寄ったまま、
ふっくらした梅はぽってりした印象になって
梅酢の中に沈んでいる。
浸かり具合はどうだろう?
まだ、一日経つか、立たないか、なのですが
居てもたってもいられず、
シワシワ梅を手に取って見る。
身がやや固め。皮も、完熟のもののような薄さはないし、
これが優れた梅干になるとは思えない。
つまり、未熟な実だと追熟しても限界があることを
今回当方ははっきりと知ったのでした。
で、こうした固い梅に出会ってしまうことは、
(高級品ならともかくも)お店先で購入する場合には
ある程度付きもので、そういうときの対処法として、
土用干しのときに梅の実を揉んで柔らかくする
というのがあります。
今回は実験&経験!
今の段階でシワシワ梅の身部分を
揉んで柔らかくして梅酢に戻しました。
いい感じになったと思っているのですが、
結果はどうなることでしょう。
それが分かるのは、梅雨明けの土用の日差しを浴びて
梅干が出来上がった頃。
とりあえず3キロ漬けましたが、もう少し欲しい。
今度は完熟した梅で漬けたい!
ですから、売場を楽しみに覗くことにします。
(今度は慌てず、見極めよう)
お出かけついでに立ちそば、いただきます!