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ミッドナイトドライバー
男は車を走らせている
一体いつからかは男にしかわからない
ずっと夜道を走り続けている
遠い昔の光り輝いた何か向かって
ただひたすら走り続けている
もはや方角があってるかすら
男にとっては怪しかったけども
その光り輝いた何かって言うのは
きっと正確な場所なんて関係ないんだと
彼は知っているんだろう
彼はただひたすら走り続けている
時折ガソリンを補給する
年代物の中古車だから
替えのパーツが見つからない
だからボロボロなんだ
だけど走り続けてるしかないんだ
何時かエンジンがイカれて
動かなくなる時まで
走り続けるしかないのだろう