0674 | エルム ジキル オフィシャルブログ「暴君ジキルによるシリアルキラーの作り方講座」Powered by Ameba

0674

ある男は壊れていく建物を眺めていた
ゆっくりとスローモーションで落ちてくる

その建物を瞬きもせずに眺めていた

通りすがった男は不思議に思い

壊れていく建物を眺めている男に尋ねた

これは貴方の建物ですか?

こんなところにいたら危険ですよ、と

ある男は答えた

これはね僕自身の心なんですよ

僕は僕の心が崩れていくのを見てるんです

貴方にも僕自身にも

この建物の崩壊を止める事は出来ない

どうする事も出来ない

現状を見守る事しか出来ないんです

そしてもしこの建物の欠片が

僕自身を壊す事になっても

それは仕方のないことなのです

空の上には色んな人が存在します

この地上にいる僕の姿は見えません

時折その人達が石を投げるんです

空には硝子が張り巡らされてます

その硝子が割れて僕自身に突き刺さります

でもどんなに痛くても誰も知りません

気付く事すらないのです

言ってしまえば

いま貴方が見てる世界は

暗い暗いマンホールの下の世界

その地下に凍えて暖を取ってる

子供達がいても見えてないから

毒を平気で流すのです

そうしてるうちに建物が崩れてきたのです

もう少しで建物が完全に崩れさるでしょう

この世界を覆う表面には

道化の仮面があるのです

さあ貴方もこんなとこにいたら

巻き添えを喰らいます

あちらが出口です

嗚呼この世界ですか?

名前もありませんが

ハリネズミのジレンマとでも名付けましょうか

僕の好きな…話しが長くなりそうです

またどこかで出会えたら

その時にでもお話ししますよ

ではお帰りなさい