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チェシャ猫亭

拝啓 偏食主義者の君へ

グルメな俺様が
自家製フルコースで持て成しましょう
食品添加物や化学調味料の過剰摂取で
舌が馬鹿になってる君には贅沢かな？

さあ遠慮せず座りなさい
人の皮と骨で作り上げた椅子へと


まずは食前酒に「シャンパン」でも
飲み干しましたら「季節の前菜」
「南瓜の冷製ポタージュ」の
次は「天然酵母のバゲット」食べて
産地直送「鮮魚のポワレ」は
魚に合わせたソースで頂き
「ソルベ」でお口直し
そして「牛フィレ肉のステーキ」は
甘みが効いてるポートワインソース
ところで何気に食べてる牛が
殺されてから君のクチへと
運ばれていく過程を観ながら
味わうなんて如何でしょうか？
ドナドナ歌いながら「解体ショーをご覧あれ」

「eins…zwei…drei…vier…
funf…sechs…sieben…acht」

青白い顔しちゃって
可哀想なんて君が目を背けてる現実さ
見たくもない知りたくない聞きたくない悲鳴が
耳にこびり付いて離れないの
「他者の生を犠牲にして
生きてるのだから吐かずに残さず食べなさい」

解体されて無惨なアレと
先ほど食べた美味しい肉は
君と同じ人間だった塊なんだけれどさ
此処まで刻んじゃえば何が違うと言うのかな？
生き物すべてが平等ならば
優越つけて差別をしてる
神様気取りで増えすぎちゃった
食わず嫌い偽善者な君から食べましょう

「いただきます…ごちそうさま」

チャシェ猫亭より愛を込めて 敬具

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